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蝶野正洋『黒の履歴書』~アスリートのパートナーとは

蝶野正洋
蝶野正洋 (C)週刊実話Web

フィギュアスケートの羽生結弦くんが電撃結婚した。自身のSNSに署名入りのコメントをアップしただけで記者会見も開かず、相手の素性も一切明かさないという異例の形態で、アスリートの結婚発表として新たな形を示したと思う。


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俺のイメージでは、羽生くんは中性的な物腰で、華麗なアジアのトップスターという雰囲気。それでいて、これまでに恋のウワサもほとんど聞かなかったし、スキャンダルもない。それだけ自己管理を徹底していたのだろうけど、それでもちゃんと愛を育んでゴールインしたというのが素晴らしい。細かいことを何も明かさないというのも、相手のことを守るためだと思うから立派だよ。

羽生くんは昨年競技を引退して、今はプロアスリートとしてアイスショーを中心に活躍している。

俺は羽生くんが出ているショーは見たことがないけど、プロのスケーターによるアイスショー自体は何度か見たことがある。音楽や演出が練り上げられているし、オリンピックで出すようなレベルの大技を披露してくれたりして、なかなか面白かった。こういったアイスショーは全国各地で盛んに行われていて、熱心なファンが詰めかけている。

そうなると、羽生くんも現役時と変わらないくらいのスケジュールで滑っていて、身体のケアも必要だと思う。そういう意味では、信頼できるパートナーと結婚したことは、アスリートとしてよいことだと思うね。

そこで気になってくるのが、羽生くんと同じ94年生まれで米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手。本人は特に結婚するとも、したいとも言ってないけど、彼がやがてどんな相手を選ぶのかについては、もはや国民的な関心事になっている。

引退後も見据えて…

最近の若いアスリートは真面目でストイックなタイプが増えているから、誰もが納得するような堅実なパートナーと結婚すると思う。昭和世代のスポーツ選手は、全国各地でさまざまなスキャンダルを起こしていたから、それが反面教師になってるんじゃないかな(笑)。

昔の野球選手は、全国各地に遠征をして、夜はその土地の繁華街で飲み歩くというタイプが多かった。SNSやネットがなかったから、遊んでてもバレることが少なかったというのもあるし、そんな夜の街で出会った女性と結ばれるというパターンも多かったと思う。

最近はマネージメント側の管理も厳しくなったし、飲み歩く選手も少なくなった。そうなると、女性と出会う機会も少なくなるから、仕事絡みの取材で知り合った女子アナウンサーや芸能人と結婚するケースが増えたんだと思う。

それにもっと近くにいる、アスリート同士のカップルというのもよく聞くようになった。お互いに共通点はたくさんあるだろうし、食べるものや普段の生活リズムも合わせやすいから、理想的な関係だと思う。スポーツ選手は、引退後のセカンドキャリアも考えていかなくてはならないから、そこまで見据えた上でパートナーを選ぶということもあるのかもしれないね。

若い国民的スターであるスポーツ選手が、新たな結婚の形を示したというのは、思ったよりも影響力があることだと思う。この世代の生き方に注目すると、日本の未来像が見えてくるかもしれないね。

蝶野正洋
1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。

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