テイクアウトが増えてグングン伸びそうな屋根付き3輪バイク需要

日本マクドナルドが宅配サービス「マックデリバリー」に力を入れるため、10月から屋根付き電動3輪バイクを本格導入した。同社によると、まずは10月中に44店舗で約100台を導入し、年内には約120店舗、約320台へと拡大するという。

今回導入される3輪バイクは、ホンダやヤマハ、スズキではない。アイディア社(aidea)の「AAカーゴ」だ。同社の前身はイタリアのアディバ社で、屋根付きバイクをファッショナブルにデザインし、世界に普及させたメーカーとして知られる。

今回の「AAカーゴ」についても、生産は日本だが、デザインはイタリアで行われ、既存の3輪バイクとは根本からセンスが違う。

「かつて、ホンダが『キャビーナ』という屋根付き2輪バイクを発売していましたが、高コストな割に台数を稼げないことから、残念ながら2000年に製造終了となりました。同社は屋根付き3輪バイク『ジャイロ・キャノピー』を製造販売しているものの、顧客層はアディバ社のバイクに流れていきました」(バイクジャーナリスト)

コロナ禍で注目“お気軽”モビリティー

雨が多い日本のメーカーが、屋根付きバイクの開発に力を入れず、太陽が燦々と輝くイタリアのメーカーが、世界の屋根付きバイク市場を席巻しているとは、何とも皮肉である。

とはいえ、日本においてバイク市場は縮小基調にあり、なかなか新車開発のハードルは高い。しかし、コロナ禍で公共の交通機関を避ける層が増加し、天候を気にせず、かつ気軽に移動できるモビリティーとして、屋根付きバイクの需要が高まる可能性はある。

今回のマクドナルドの屋根付きバイク大量購入に、歯がゆい思いをしているのは、多くの飲食店ではなく日本のバイクメーカーかもしれない。

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