バンテリンドーム ナゴヤ (C)週刊実話Web 
バンテリンドーム ナゴヤ (C)週刊実話Web 

中日・立浪監督が仕掛ける大型トレードに“輝ける二軍の星”根尾昴の今後は!?

54歳の誕生日は、悪い意味で「忘れられない1日」となった。


8月19日の東京ヤクルト戦後、中日の立浪和義監督は多岐にわたる質問の返答に窮していた。石川昂弥が被死球により担架で搬送、細川成也の被死球、岡林勇希は連続試合安打ストップ、髙橋宏斗は3失点で敗戦投手に、捕手・木下拓哉は相手バッターの振り切ったバットが頭部を直撃…。まるで、チームが呪われているかのような日だった。


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「この日は立浪監督の誕生日だったにもかかわらず、試合に関する質問はマイナスの話ばかり。特に、石川は頭部へのデッドボールで翌日には出場選手登録を抹消され心配です」(スポーツ紙記者)


今さらだが、石川は地元愛知県半田市出身の「将来の主砲候補」。最下位に沈む中日ファンにとって、一縷の光だ。


そんなアクシデントに見舞われた主砲候補同様、心配されている「エース候補」がいる。いまだ一軍昇格のきっかけすら掴めておらず、今季は一軍登板ナシで終えてしまいそうな気配漂う根尾昂(23)だ。


その根尾が先発マウンドに上がったのは、同16日の阪神二軍戦だった。


「6回を2失点、被安打7。数字だけを見れば、昇格させてもいいのかもしれませんが…」(中京地区記者)


それでも昇格できないのは、内容が良くないのだ。6回途中で投球数は127球。3ボールカウントまでいってしまうケースも多々あり、また、過去6回の先発マウンドでも先に失点してしまうことが多かった。


「先発投手に必要なゲームメイクする力が、まだないんです。根尾自身もそのことは分かっているみたいで、『変化球で確実にストライクを取れるように』とか『打ち損じを誘う配球が…』と、試合後に反省の弁を口にしています」(同)


この日は150キロを超える直球に、スライダー、フォークを織り交ぜていた。ここ最近では、110キロ台のカーブも投げるようになった。


「スローカーブです。緩急、ピッチングにメリハリを付けようとしています。眼の付けどころはいいのですが、まだシックリいってないみたいですね」(同)


一方で、こんな情報も聞かれた。


「前回登板が8月2日でした。初めて中6日での登板だったので、先発ローテーション入りと一軍昇格を前提とした登板でしたが、結果は6回途中6失点で疑問符の付く内容」(関係者)

新フォームの評判は…!?

球場は、本拠地のバンテリンドームナゴヤだった。中6日の先発ローテーション入りを想定したテスト登板だったわけだが、不合格だったのだ。片岡篤史二軍監督は、「そのあたりのレベル(昇格)までは来ている」と、根尾をかばっていたそうだが…。

同様に、山井大介二軍投手コーチも「トータル的に見れば、前回、前々回の方が良かったけど、一球一球のボールは良くなっている」と成長を認めていた。しかし根尾自身、いまだ「超えられない壁」があるようだ。


「ピッチャーに専念して初めてのシーズンですけど、すでにプロ入り5年目。周囲の評価も厳しくなっているように感じます。立浪監督は大型トレードを仕掛けていくタイプだし、根尾の今後についても考えているはずですよ」(同)


もっとも、2年連続最下位の可能性が高まってきた今、来季以降を見据えて、「根尾を一軍登板させてもいいのでは?」との意見もあるそうだ。立浪監督がクビを縦に振らないのは、力不足のピッチャーを登板させることで「勝利を諦めたと思われる」ことを危惧しているからだろう。


根尾の評価と育成について、こんな声もある。


「ピッチャーに専念した昨季6月以降、一軍で救援投手として24試合、先発1試合に登板し、3点台の防御率を残しました。先発ではなく、救援向きなのかもしれません」(前出・中京地区記者)


今季前半戦は、制球難で苦しんだ。その原因も「先発」にあるようだ。


「根尾は頭のいい選手です。先発をやれと言われて、緩急をつけるための変化球が必要だと気付きました。そのため、今まで投げてこなかったカーブを練習したことでバランスを崩し、制球難になったんです」(前出・関係者)


こう言ってはなんだが、立浪監督が「先発で育てたい」と口にしなければ、昨季同様に救援投手として一軍でやっていけたのではないだろうか。


もっと言えば、中日は先発投手が不足していない。根尾は「将来性」の言葉で遠回りをさせられているような気がしてならない。


「今、左足を上げてから後ろにひねりを加える新フォームで投げています。本人は『進化』だと言っていますが、迷っているのでは。新フォームの評判は、賛否両論です」(同)


チームが2年連続最下位に終わる可能性は高い。しかし、経営陣は来季も立浪監督の続投を決めており、今オフも昨年同様、大型補強が行われるとみられている。トレード、ドラフト、新外国人選手獲得などすべてにおいて、引き続き、「立浪監督が最終判断を下す」ともいわれている。


「現役ドラフト、トレードで獲得した選手たちが活躍しています。外国人選手の獲得は失敗でしたが、立浪監督の選手を見る眼は確かです。立浪監督が『根尾は先発』と言って、根尾の方が結果を出せなかったと判断されそうです」(前出・関係者)


チームの来季構想の中に、未完のエースの名前はあるのだろうか。