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JRA重賞『共同通信杯』(GⅢ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

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このところ毎週のように、先週のレバタラを書いてる未練がましい男です。まあ、先々週の根岸Sのゴール前ほどではなにしても、東京新聞杯も余計な1頭…カラテとシャドウディーヴァでいいのに…間に12番人気カテドラルが入るとは…ああ無情。ところで、今年の東の重賞では珍しく、1、2番人気ともに馬券対象にならなかった。これは1月11日ファアリーS以来二度目のことであった。逆に1番人気は一度も馬券対象になっていなかった西の重賞が、先週のきさらぎ賞は3、2、1番人気の固い決着。この逆転傾向は、今週も続くのか? それともまた元に戻って〝東固西荒〟になるのか? 神のみぞ知る、で思案投げ首だが、ともあれ、競馬ファンたるもの、サクッと気分を切り替え、ハイ今週!

本来ならGⅡ京都記念が東のGⅢより格上だし、GⅠ馬も複数出ているので優先すべきだろうが、ここはクラシックを占う意味でも重要な東の共同通信杯を敢えてチョイスしたい。まずはGⅠ朝日杯2着の③ステラヴェローチェ、2戦2勝の⑦エフフォーリア、そして1戦1勝組では⑪シャフリヤール、⑨ヴィクティファルスと来て、おや、今週も〝ヴ〟の付く馬が目立つので、物はついでにカイザーノヴァもと思ったが、騎手の魅力でいえば、若手のホープ、坂井瑠クンより〝無双ルメール〟の②キングストンボーイを選んじゃってゴメンね。これまでもその傾向はあるが、今週は特に、困ったときの騎手頼み。福永、ルメール、松山の信頼ラインに、今回は横山親子を抜擢し、この5ジョッキーのボックス馬券でいきたい。

気になるのはレフトゥバーズ。土曜のクイーンCを除外され、こっちに回ってきた牝馬で〝紅一点〟となり、〝牝馬の鉄〟としては無視できないと思いつつも、初志貫徹。横山親子のどちらかを外して抜擢しようとも思ったが、最初の予想を曲げるとロクなことがない、とは競馬格言でもある。この牝馬が来たらゴメンナサイ…。

“歴史は繰り返す”で1戦1勝馬の単!

今回も毎度おなじみ映画馬券を、と思ったが、〝新顔〟があまり見当たらない。出走馬の中で無理くり探せば、一番人気濃厚の横山パパのステラヴェローチェから連想する『ステラ』(90年)あたりか。ベット・ミドラーが主演した母娘ドラマの名作なのだろうが、個人的にはさほど思い入れがないしなあ。と思ったところを、Oh、灯台もと暗しで、重賞名・共同通信杯は別名トキノミノル記念ではないか。馬券がらみではないが、この際、苦肉の策(笑い)。

そのトキノミノルは、50~60年代全盛期だった映画会社・大映のオーナー、永田雅一の持ち馬だった無敗の名馬で、ダービー勝利の直後に急死したことで〝非運の名馬〟とも謳われた。このトキノミノルを題材にその大映が映画化したのが『幻の馬』(55年)で、当時〝ワンマン社長〟と呼ばれた永田オーナーのほとんど個人的事情で作ったような作品ではある。とはいえ、映画としてはなかなか見応えがあり、競馬映画の名作として語り継がれているほど。ちなみに劇中の馬名はタケルであった。

日本ダービーを題材にした邦画は他に『日本ダービー 勝負』(70年)、『優駿』(88年)などがあり、特に前者は、健さん、文太兄ィが何と騎手役という〝珍品〟でもあった。ダービーの季節になるとCS放送でしばしばオンエアされたりもする。今年もやるかな?

結論は、前記の通り初志貫徹②③⑦⑨⑪5頭の馬連、3連複。トリガミもあるので横山パパ、福永、ルメールのボックスは厚目に。この中で1戦1勝で挑むシャフリヤールは、皐月賞馬アルアインの全弟。同じく父ディープインパクトで、同じく福永騎乗のリアルスティール(当時のわがペーパー馬でもあった!)も2015年にキャリア1戦1勝で、この共同通信杯を制したものだ。歴史は繰り返す、と信じ、珍しく単勝も。⑪シャフリヤールの応援馬券として買いたい!

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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