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田中将大「獲得」のウラ! 東北楽天“侍ジャパン稲葉監督”来季密約

田中将大
田中将大 (C)週刊実話Web

キャンプイン早々、東北楽天がペナント戦には目もくれず、〝東京五輪ジャック〟に舵を切った!

楽天のキャンプを訪れた侍ジャパンの稲葉篤紀監督に対し、同球団は田中将大を含む主力4投手の選出を熱望。背景に、稲葉監督と石井一久監督兼GMとの「密約」が――。

この3年、平石洋介、三木肇、石井監督と、毎年指揮官が交代した楽天。今年もご多聞に漏れず、今秋に「稲葉監督」が誕生する可能性が高まっている。

今シーズンはヤンキースからFAになった田中を獲得するため、米球界事情に詳しい石井監督兼GMが指揮も執る流れとなったが、2月6日にその田中が沖縄キャンプに合流したことで役目は終了。三木谷浩史オーナーは東京五輪の金メダル獲得を見据え、侍ジャパンの監督招聘を画策しているという。

楽天グループに詳しいOBの野球解説者がこう話す。

「新型コロナウイルスの感染拡大で球団財政が緊迫する中、楽天が9億円を投じて田中を獲得したのは、日本一が狙いではない。長丁場になれば日本シリーズ4連覇中のソフトバンクとは戦力差があり、優勝は現実的ではない。しかし、短期決戦の東京五輪は話は別。楽天選手が五輪ジャックして金メダルを獲得することで、ソフトバンクと巨人に一泡吹かせることが可能だ。田中は今年1年の腰掛け入団で、優勝も狙えない以上、社運を賭ける携帯電話事業に弾みを付けるには〝侍ジャパン乗っ取り〟こそベストと判断したようだ」

いまだコロナが収束せず、今夏の五輪開催は微妙な状況。しかし、予定通り開催されれば、確かに楽天の五輪ジャックは可能だ。

楽天のキャンプに真っ先に駆け付けた稲葉監督

8年ぶりに日本球界に復帰した田中をはじめ、涌井秀章、岸孝之、則本昂大の〝投手四天王〟のほか、クローザーに戻った左腕の松井裕樹投手、3年連続30本塁打の浅村栄斗内野手、国際大会で重宝されるユーティリティープレーヤーの鈴木大地内野手、そして、ドラフト1位の左腕、早川隆久…。こと投手力だけなら、12球団最高レベルだ。

「彼らを侍ジャパンに送り出し全精力を注がせれば、金メダルも夢ではないし楽天の名声も上がる。それには稲葉監督に1人でも多く楽天選手を選出してもらう必要があり、その〝恩賞〟として監督の椅子も用意していると聞く」(同)

五輪メンバー選考のため、2月3日から稲葉監督は金子誠ヘッドコーチらとともに、沖縄県内でキャンプを張る9球団の視察を開始。案の定というか、真っ先に駆け付けたのが、金武町の楽天キャンプだった。

田中はまだ合流していなかったが、石井監督兼GMは「稲葉監督に、できるだけたくさん選んでくださいね、と話しました」とアピール済み。さらに「東京五輪開催期間にはNPBの公式戦は行われないから、リスクはそんなにない」と太っ腹なところも見せた。

これに稲葉監督は、「(田中の日本復帰は)日本代表にとっても非常に嬉しいニュースだ。球界を引っ張ってくれる存在でいてほしい」と応じた。

「田中復帰決定前の稲葉ジャパンの構想は、千賀滉大(ソフトバンク)、菅野智之(巨人)、大野雄大(中日)が投手の3本柱。しかし、ペナントレースを中断して夏に行われる五輪を警戒し、各球団は楽天とは違って全面協力するスタンスではない。大舞台に選手を送り出せば、その分、故障や大会後の不調リスクがある。あくまで目標はリーグ優勝、日本シリーズ制覇。自軍選手の日本代表入りにいい顔をする指揮官はいない」(スポーツ紙デスク)

“世界一”の監督へ禅譲ならすべてがスムーズ

ところが、石井監督兼GMは「国際大会で負けられない試合をすることは貴重な経験。それが選手たちの財産になり、ポテンシャルも上がってくる」とリスクには目を向けないスタンス。代表選出により、ここ3年で計20勝と伸び悩む則本、昨季の先発転向が失敗に終わり、再び抑えに転じる松井に、自信を植え付けようとしているのだ。

石井監督兼GMと1歳年長の稲葉監督とは、現役時代、ヤクルトで7年間同じ釜の飯を食い、野村克也監督の薫陶を受けた仲。気心は知れている。「GMこそ天職」と考える石井監督は、野球観を共有する人物に監督を託したいと考えていたが、それが国民悲願の〝世界一〟の監督への政権委譲ならすべてがスムーズに運ぶ。

一方の稲葉監督は、東京五輪までが任期。その後は古巣の日本ハムに戻り、栗山英樹監督の後任という青写真もあった。しかし、中日の二軍監督だった小笠原道大氏が次期監督という含みを持たせてヘッドコーチに就任。今回の楽天からの誘いは〝渡りに船〟と言える。

「三木谷オーナーは稲葉監督の指揮官としての手腕に加え、スカウティング能力も高く評価していると聞く。代表監督は国内の選手を選ぶのが仕事だと思われがちだが、実はメジャーも含め、各国の代表選手のビデオチェックに多くの時間を費やしている。稲葉氏の助言で台湾やイスラエル、オランダ、メキシコなどから安価で高品質の外国人選手を調達しようとも考えているのだろう」(同)

今キャンプでは、次期監督と言われる巨人の桑田真澄投手チーフコーチ補佐、中日の立浪和義臨時コーチばかりが注目されている。しかし、最も目を離せないのは楽天監督の動向なのだ。

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