
新型コロナウイルスの収束が見えない中、今年も「国民病」と言われている花粉症の季節が到来した。既にスギ花粉が飛び交い始めているが、花粉症によるくしゃみや咳の飛沫が飛ぶことで、コロナ感染拡大が懸念されている。
花粉症専門医でもある藤巻耳鼻咽喉科医院(千葉県市川市)の藤巻豊院長が警鐘を鳴らす。
「花粉症の主な症状は目の痒みで90%以上の患者に見られる。他に、くしゃみ、咳、鼻づまり、鼻水…。これらはコロナの飛沫感染の経路になります。花粉症は風邪の症状と似ているので識別しにくい。専門医に診断してもらい、外出するときは万全の花粉症対策をたてたほうがいい」
昨年はピーク時の2~3月にコロナ感染が拡大し始めたためか、花粉症患者は目立たなかった。コロナ予防のマスクによって患者が減少した報道もあったが、実際は昨年の花粉の飛散状況が過去10年に比べて非常に少なかったという。
「日本気象協会の発表では、今年の花粉飛散量は昨年の1.8倍で、例年以上に猛威を振るうと予想されています。2月初旬から飛び始め、3月中旬には各地でピークに達する。花粉症は喘息を悪化させたり、呼吸器系にダメージを与える。症状が出ている時にコロナに感染すると重症化する恐れもあります」(医療ライター)
藤巻院長によれば、
「都営地下鉄大江戸線の職員間で発生したクラスターでは、宿直施設で共有する水道の蛇口が感染経路とされた。花粉症の患者は鼻をかむため頻繁にマスクを外したり、前述したように目の痒みを訴える。地下鉄やJR、私鉄などを利用した際、公共物などに触れた手で鼻をかんだり、目をこすったりするのは危険です」
「不織布マスクなら花粉をブロックできる」
コロナを誘発させないための花粉症対策だが、花粉症専門医は揃って「花粉症とコロナ感染を防ぐには家庭用なら不織布マスクが有効」とイチ推しする。
「多くのメーカーからファッション的な布マスクやウレタンマスクが販売されていますが、効果があるかは疑問です。その点、不織布マスクのフィルターサイズは5マイクロメートルほどで、30マイクロメートルの花粉をブロックできる。一方、コロナなどのウイルス粒子はそれより小さいのですが、飛沫の大きさは5~10マイクロメートルですから、理論上で不織布マスクの効果は認められている」(マスク製造会社関係者)
ワセリンを鼻の穴の入口に塗ると、花粉を吸着して鼻腔からの侵入を防ぐほか、鼻うがいも効果的だ。
「換気は窓の幅を狭くして、換気機能付きのエアコンや換気扇を使用。帰宅したときは、玄関に入る前に洋服をブラッシングして花粉を落とすことが重要です」(前出・藤巻院長)
2月~3月はコロナ感染拡大を引き起こさないためにも、徹底した花粉症対策が求められる。
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kouta / PIXTA(ピクスタ)
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