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特番『水泳大会』に乗じてやりたい放題の酒池肉林~第2回『放送作家の半世(反省)記』

(画像)Dmitry Molchanov / shutterstock

1970年代から1990年代にかけてのテレビ界には、人気アイドルたちが競い合う運動会や水泳大会が人気特番の一つとして君臨していた。

「男性アイドルはジャニーズ事務所の独壇場で、独立前の郷ひろみが抜群の運動神経を披露してファン層を拡大しました。その後、田原俊彦やシブがき隊、少年隊などの活躍で〝ジャニーズはスポーツ万能〟のイメージがお茶の間に定着し、間違いなく運動会や水泳大会は事務所の隆盛に一役買っていましたね」(元フジテレビ関係者)

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郷ひろみ時代には西城秀樹が、田原俊彦時代には渋谷哲平や沖田浩之、新田純一、そして吉川晃司ら他の事務所に所属するアイドルが「打倒! ジャニーズ」を掲げて参戦していたが、程なくして薬丸裕英(シブがき隊)vs東山紀之(少年隊)に代表される〝ジャニーズ同士の争い〟が視聴者の興味をそそるようになり、他の事務所のアイドルは淘汰されてしまった。

私も80年代半ばに、下働きで運動会や水泳大会に関わっていたが、薬丸と東山の徒競走(リレー含む)対決はいつもバチバチで、一触即発の舞台裏を見ているほうが楽しかった(笑)。

そんな80年代アイドル、特に82年組(81年12月~82年11月にレコードデビュー)と呼ばれるシブがき隊、松本伊代、早見優、堀ちえみらが〝昔を振り返る系〟のトークバラエティーに出演した際、必ずと言っていいほど話題に上るのが、神奈川県大磯町の『大磯ロングビーチ』で行われていた水泳大会だ。しかも〝過去の悪行〟として懺悔するケースも多い。

同情はするが、ファンの夢は丸つぶれ…

この水泳大会、収録が日の出から日の入りまで行われていたため、出場者は併設の大磯プリンスホテルに前夜から前乗り(宿泊)するのだが、実のところ同所では密かに、アイドル同士の酒池肉林が繰り広げられていたのだ。

一応、宿泊フロアは男女別、エレベーターや非常階段では番組スタッフが見張りをしていたものの、スタッフを手懐けて自由に行き来するアイドルだらけで、中にはベランダ伝いにお目当ての部屋を訪れる強者もいたという。もちろん80年代とはいえ未成年の飲酒や乱交が発覚すれば、責任を取らされるのは〝大人〟のスタッフたち。アイドルたちはその弱みにもつけ込み、まさにやりたい放題だったのだ。

個人的には、日々鬱屈した管理生活を送るアイドルたちに同情もするし、40年近く前の話となれば、もはや時効的なエピソードトークのつもりなのだろう。しかし、その懺悔は何年たってもファンの夢を壊す。当時、水泳大会に出場したアイドルの多くが、穴兄弟&棒姉妹だったと言っているようなものだからだ。

ちなみに、先の82年組には中森明菜、小泉今日子、石川秀美らも含まれるが、後に薬丸と結婚した石川に至っては、その水泳大会で薬丸と同じシブがき隊の本木雅弘に接近し、一時は交際へと発展した肉食系アイドルでもあったのだ。

次回はバブル絶頂期、東京・六本木の裏通りに存在していたアイドルや若手俳優、人気タレントご用達の中華ダイニングと、連日連夜、そこで繰り広げられていた数々の修羅場について触れてみたい。

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