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サッカー日本代表・遠藤航「30歳でリバプール移籍」が実現したワケ

リヴァプールFC
(画像)MDI/Shutterstock

サッカードイツ1部で長年活躍してきた日本代表キャプテン・遠藤航が、イングランドの強豪・リバプールに移籍を果たした。30歳にして名門中の名門でプレーすることになったわけだが、移籍できた要因はどこにあったのだろうか。

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2010~15年にJリーグの湘南ベルマーレ、16~18年に浦和に所属した遠藤は、18年7月にベルギーのシント=トロイデンに移籍。19年から所属したドイツ・シュツットガルトではキャプテンを務め、今回イングランド・プレミアリーグに舞台を移すことになった。

ただ世界中で、リバプールが遠藤を獲得したのは意外と受け止められている。ほとんどが遠藤の移籍の気配を察知していなかった。その理由としては年齢面のハンデが大きいだろう。

「遠藤は現在30歳。シュツットガルトとは2024年夏までの契約を残していた。キャリアも中盤で、1年契約を残した状態で今夏移籍すると、年俸とは別に多額の移籍金をシュツットガルトに支払わなければならない。獲得に乗り出すようなクラブはないと多くが考えていた」(スポーツライター)

リバプールは遠藤と4年にわたる契約を結び、約30億円とも言われる移籍金をシュツットガルトに払ったが、それでも遠藤の移籍は理にかなっていたとも言えそうだ。

リバプール監督は日本人がお気に入り?

「遠藤はドイツで『デュエル王』と称され、球際に強い。またリバプールを指導するのはドイツで香川真司を指導したクロップ監督。契約後、遠藤のプレーをよく見ていたと口にした。これはリップサービスとは言えない」(同・ライター)

かつてリバプールの記者会見で、クロップ監督に元日本代表の内田篤人氏が質問すると、かつてドイツでプレーした内田氏だと分かったのか、突然ニヤニヤして冗舌になったことがある。

日本人選手をもともと高く評価していて、かつリバプールは遠藤が主戦場とするボランチが手薄な状況。遠藤自身も『移籍の決断をするために24時間しかなかった』と語っているが、ひそかに、かつ迅速に獲得に向けて動いたのが功を奏したのだろう。

「ドイツ・ドルトムントやリバプールで栄冠を勝ち取ってきたクロップ監督だが、日本人選手が在籍しない時期に国内リーグで優勝していないという奇妙なジンクスがある。本人の頭にはないかもしれないが、『日本人力』も借りて国内リーグ優勝に向け万全の体制が整った」(同)

遠藤は加入直後の19日の試合に途中出場。自チームから退場者が出た難しい状況だったにもかかわらず、いきなりピッチに送り込まれるあたりは、クロップ監督が絶大な信頼を寄せていることがうかがえる。

存在は地味だが、遠藤はリバプールや日本サッカー界に多大な影響をもたらしてくれることだろう。

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