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蝶野正洋『黒の履歴書』~昔とは真逆の健康意識の高い現代

蝶野正洋
蝶野正洋 (C)週刊実話Web

女子カーリングの藤澤五月選手が、ボディメイクコンテストに出場し、いままでのイメージを覆す褐色の肌と筋肉美を披露して、大きな話題となった。

俺も最初に写真を見たときは、同一人物なのか分からないくらいの変化で驚いたけど、藤澤選手は以前から筋トレに熱心だったみたいで、その延長で出場したということらしいね。


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とはいえ、これはカーリングのためにやっている部分もあるんじゃないかな。カーリングはウインタースポーツだから、夏場はシーズンオフで話題が少なくなる。だから、自分が他の競技で目立つことで、トピックスを作ろうとしたんだろうね。

トップ選手というのは、スポーツ界全体を背負っているという意識があるから、外に向けた話題の発信を心掛けているものなんだよ。プロレス界ではアントニオ猪木さんがそうだったし、従来のファンだけでなく一般層を振り向かせようと常に仕掛けを考えていた。

特に女子スポーツは、調子がよいときは盛り上がるけど、忘れられるのも早い。女子サッカーW杯で、なでしこジャパンに声援を送ったという人は多いと思うけど、大会が終わっても継続して応援する人はどうしても少なくなってしまう。

そう考えると他競技のコンテストに出場することは相乗効果が大きい。ボディメイキングは大会もたくさん開催されているし、競技人口も広がっているからね。

最近は当たり前のようにカラダを鍛えている人が増えた。ジムに行ったときに、ロッカールームにいいカラダをしている若者がいたから「何かスポーツをやってる?」と、声をかけたんだけど、特に何もしていなくて「趣味で鍛えている」という。筋トレや食事制限にも詳しくて、健康意識が高いんだよ。

健康にはセルフチェックも必須

俺たちの時代は真逆で、カラダを大きくしたいなら、とにかく飲んで食って、まず胃袋をデカくしろという指導だった。確かにたくさん食べればデカくなるけど、内臓脂肪もたっぷりついてくるんだよ(笑)。

俺は面倒くさがりだから、筋トレはあまりしなかった。それでも、体重は気にしていて、20年間、105キロ前後を常にキープしていた。

俺の減量法は単純で、1日くらいの軽い断食をする。巡業に3~4週間も出ていると外食が増えて、胃袋が疲れてくるときがある。それを感じたら朝、昼の食事を抜いて、内臓を休ませると調子が戻ってくるんだよ。

誰かに教わったということではなく、本能的な感覚でやっていたことだけど、最近は食べ物でも、合わないなと思ったら無理して食わない。美味しく食べられなかったら、それはもう自分の体にとって必要じゃないっていうことだと思うからね。

あと、俺にとっての健康センサーはタバコだね。タバコを吸って咳き込むことがあったら、ちょっと体調が悪いなというバロメーターになっている。

周りから「タバコはもうそろそろやめた方がいいんじゃないか」と諭されるけど、それで体調をチェックしてるわけだから、俺は健康のためにもやめるわけにはいかないんだよ(笑)。

タバコメーターは、さすがに勧めないけど、自分の体調をセルフチェックするポイントを持っておくことは大事だと思うよ。

蝶野正洋
1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。

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