(画像)Mix and Match Studio / shutterstock
(画像)Mix and Match Studio / shutterstock

侍ジャパン次期監督のキーマンは井端弘和氏!? 工藤公康氏は辞退…高橋由伸氏浮上の裏側

急展開だった。WBCで三度目の世界一に輝いた新生侍ジャパンは「ヨシノブ&井端」のコンビで四度目の世界一を目指すことになりそうだ…。


「8月26日までU-15のアジア選手権が開催され、そして甲子園球児も参加するU-18大会は31日から9月10日までの予定です。侍ジャパンを統括・運営するNPBエンタープライズは、WBCとこのU-18大会までを『2023年の重要イベント』と捉えており、11月のアジアチャンピオンシップから26年3月開催予定の第6回WBCまでを『次のひと節』と見ています」(球界関係者)


【関連】高橋由伸「侍ジャパン監督就任」で“不遇な人生”まっしぐら?進むのはいばらの道か… ほか

つまり、U-18大会前か、同終了後の9月上旬に「ポスト栗山」を発表したいと考えているようだ。


「工藤公康氏(60)の名前が出ていました。侍ジャパン特別顧問も務める王貞治氏も『工藤ジャパン』の誕生を楽しみにしていましたが…」(同)


去る8月6日、次期監督を決める「侍ジャパン強化委員会」が少しざわついていた。同日、NPBエンタープライズやプロ・アマ合同で構成する「日本野球協議会」にこんな一報が飛び込んできたからだ。


U-12、4位。3位決定戦で惜敗――。


「関係者全員から労いの言葉が掛けられました。そして、U-12を指揮した井端弘和監督(48)と話ができる状況なのかが確認されました。同委員会として、近々に会って直接話がしたい旨が伝言されました」(在京球団スタッフ)

“ポスト栗山は荷が重すぎる”

井端側は「会いたい」の言葉に、何かを感じたという。

あまり知られていないが、NPBエンタープライズは前任の栗山英樹氏(62)の続投も視野に入れていた。しかし、栗山氏の退任の決意は固く、強化委員会は新監督の選考を議案に入れた。「10名近くのプロ野球OBの名前が挙がった」とも報じられているが、実際は少し違うようだ。


実は、新監督選考の下案が提議される前に、本人へ「候補者として推薦する」と伝えられたのは、5人ほど。その中に井端氏もいたわけだが、工藤氏中心で話が進められていった。


「工藤氏から辞退の連絡があり、強化委員会の全メンバーがその理由に納得し、再選考の運びとなりました。7月の球宴前後だったと記憶しています」(同)


だとしたら、強化委員会は短期間での再考を余儀なくされたようだ。


「井端氏は、『ポスト栗山は荷が重すぎる』と回答しましたが、代表チームには強い愛着があるようです。前巨人監督の高橋由伸氏(48)を推していました」(同)


その情報の通りなら、思い出される話もある。


15年オフ、巨人移籍2季目を終えた井端氏は同級生でもあったヨシノブの引退と巨人監督就任を知り、「彼より長くやる必要はないと思い…」と言って、共に現役引退することを即決。以後、「高橋政権」の内野守備走塁コーチを担当し、やはりヨシノブに合わせて巨人を退団した。


「ヨシノブが代表監督で、井端氏がヘッドコーチ。いや、井端監督で、ヨシノブを選手招集の裏方トップに当たらせるかも。いずれにせよ、井端氏を中心に次の侍ジャパンを構成していきます。他のコーチスタッフはこれから決まりますが、投手担当は元中日の吉見一起氏が有力です」(前出・球界関係者)

中日選手がそろって代表入りを辞退…

井端氏は13年WBC東京ラウンドのMVPに選ばれている。特にブラジル戦、台湾戦では同点打を放つ活躍を見せ、17年の第1回アジアプロ野球チャンピオンシップでは、代表チームのコーチも務めた。現在は解説者であり、U-12の監督でもあるが、社会人NTT東日本のコーチも兼務している。

「U-12は小学生チーム。子供に教えるのが最も難しいとされるのに、それができたわけですから、トップチームを任せても大丈夫なはず」(アマチュア野球担当記者)


また、ヨシノブは、巨人OBの中に「もう一度、監督を」と推す声も多い。レギュラーを決めたらトコトンまで信用する采配に「消極的」との批判もあったが、侍ジャパンは精鋭集団でもある。好不調で打順や守備位置を変えられるよりは選手もやりやすいのではないだろうか。


「巨人時代、ヨシノブの最大の功績は、岡本和真を育てたこと。周囲が4番昇格を勧めた当時、トコトンまでガマンし、『4番に据えたら、二度と降格させない』という方針でした」(取材記者)


井端氏が新生侍ジャパンのキーマンに選ばれた理由だが、強化委員会は12球団と代表チームの共存を目指していた。


思い出されるのが09年の第2回WBCで、当時、中日選手が揃って代表入りを辞退するハプニングに見舞われた。


「中日球団や当時の首脳陣がペナントレースを優先させたからではありません。08年の北京五輪で一部選手を疲弊させる起用法に選手から疑問の声が挙がったからでした。井端氏は短期決戦での選手起用。招集前の信頼の構築にも務めてくれました」(関係者)


大谷翔平ら日本人メジャーリーガーたちは「次回も出る」と内々に返答している。ヨシノブ・井端体制の下でWBC連覇を目指すことになる。