勝者がいれば、敗者もいる。笑顔の影に、涙があるのが勝負の世界というものだ。
例年に増して、涙を流す場面が多いように見える今年のプロ野球界。レギュラーシーズン前半戦、選手たちが思わず〝泣いた〟シーンを振り返ろう。
北海道日本ハムの田中正義は、7年目にして歓喜の涙を浮かべた。2016年のドラフトで5球団が競合した末、ソフトバンクに入団したが、プロ野球生活の中で勝ち星、セーブはなし。
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FAでソフトバンクに移籍した近藤健介の人的補償として今季日本ハムに加入し、4月26日に初セーブを挙げると、インタビュー中に涙ぐんだ。
皮肉にもその2日後、敵チームの選手として日本ハムの本拠地で初めて打席に立った近藤に対して、日本ハムファンはブーイングを浴びせるどころか拍手すらなし。完全なる〝ガン無視〟で、涙ながらのインタビューが効いたのか、ファンの興味は完全に田中に移ってしまった。
阪神・大竹耕太郎は味方の活躍に思わず…
味方の援護に人目をはばからず涙したのは、阪神の投手・大竹耕太郎だ。5月27日の巨人戦で先発して七回表まで投げきり、裏の攻撃で代打を送られ降板となったが、直後に近本光司のタイムリー安打で先制すると、大竹はランナーとタッチを交わした後に目を拭きながらベンチへ。
実況が「大竹は目に涙を浮かべています! 表情がゆがむ大竹!」とタオルで顔を拭う大竹の様子を強調したため、このシーンはネット上でも話題になった。
8月1日にプロ初勝利を挙げた東京ヤクルトの3年目投手・山野太一は、目に涙を浮かべながらインタビューを受けた。
8月6日の阪神戦では、自身の打席で代打を送られ、ベンチに下がった横浜DeNA・佐野恵太が目を腫らしながら戦況を見つめるなど、悔し涙を浮かべる選手もいる。
シカゴ・カブスの鈴木誠也は〝ウソ泣き〟を披露。現地時間8月1日の試合で、チームメイトからボールをプレゼントされて笑顔を見せたが、それを隣のコーチに奪われたときのことだ。
直後にボールを返されると、少年のような笑顔でウキウキしていた。
A souvenir for @suzuki_seiya_sb. 😂 pic.twitter.com/1SRn7nlB7s
— MLB (@MLB) August 2, 2023
それぞれ真剣に野球に向き合っているからこその涙だろう。ファンとしては、できるなら〝うれし涙〟をリクエストしたいが…。
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