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藤井聡太七冠に疑惑が浮上したことも…将棋の“反則”は誤魔化せるのか?

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(画像)beeboys/Shutterstock

将棋界初の八冠を目指す藤井聡太七冠だが、かつて「反則負け疑惑」が浮上したことがある。

このときは「問題ない」と公式判断が下っているが、たとえプロであっても反則負けとなった事例は枚挙にいとまがない。

反則が起こった場合、たいていのプロは非を認め、即座に投了することが大半だが、シラを切りとおすことはできるのだろうか?

藤井七冠に「反則では」との問い合わせが相次いだとされるのが、2018年6月の竜王戦決勝トーナメントでの出来事。藤井七段(当時)は秒読みに追われ、慌てて駒台の桂馬を打ち付けたが、直後に手を代えて飛車を打ち下ろした。

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手が離れているとして、ファンから「待った」の反則ではないかとの指摘もあったが、日本将棋連盟はマナーの問題であって反則ではないと見解を述べている。

結局、藤井七冠はプロ入りから反則負けの経験はないが、プロ棋界では案外、反則の事例が多い。

現役時代は「ハッシー」の愛称で親しまれ、八段まで昇段した橋本崇載容疑者もその一人だ。15年3月、NHKの放送対局で同じ筋に2枚歩を打つ「二歩」の反則を犯して負けた経験がある。

この瞬間、まさかの出来事に、思わず橋本容疑者は頭を抱えてしまった。同時になぜか相手の行方尚史八段(当時)も頭を抱え、気まずそうな空気が流れた。

橋本容疑者はすぐさま自分の失態を認めて投了したが、「二歩」のような反則を自己申告せず、対局を続けることは可能なのか。

アマチュアなら可能!ただ大半は…

結論から言うとアマチュアなら理論上、不可能ではない。

アマチュアの場合、一般的に反則に関する扱いはこうだ。反則を犯した場合、指し手を記録する「棋譜」が残る場合はほぼ100%の確率でバレる。だから発覚した時点で反則した側の負けになる。

ただ棋譜が残らない場合、指摘を受けない限りはスルーできる。

特にアマチュア大会の場合、終局してから一局を振り返る「感想戦」もなく、数分で次の対局に移る場合が多い。記録も残らないとなると、対局が終わって駒を片付けた瞬間に証拠が消え、反則はなかったものになる。

一方、プロの棋戦はすべて棋譜を残すため、後になってバレる。それもあってか、反則した瞬間に投了する場合が多い。アマチュアも、プロにならって潔く負けを認める場合が大半だ。

アマチュアの場合、難しいのは団体戦での振る舞いだ。「社会人将棋団体リーグ戦」「職域団体対抗将棋大会」「学生将棋団体対抗戦」など、自分の勝敗がチームの勝敗に直結する戦いは多くある。

この場合、自分が負けるとチーム全体に迷惑をかけてしまう。潔い姿勢を重んじるよりもチームの勝敗を大事にするべき、と考えた場合は知らんぷりする可能性も考えられる。

ただ、シラを切り続けるのは大変。「二歩」の場合はどちらかの歩が取られる、もしくはどちらかが「と金」になるまで、証拠は残り続ける。

相手の目線が2つの歩に向かないよう気を使う必要がある。動揺を見せない表情をつくる能力も欠かせない。

プロの世界では必要ないが、アマチュアの世界では〝演技力〟も必要か。

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