巨人の中継ぎサウスポー・高梨雄平を試練が襲っている。
8月8日に東京ドームで行われた阪神戦、高梨は1点ビハインドの8回表に登板。すると、名前がコールされるや、レフトスタンドの阪神ファンからは「帰れコール」と大ブーイングが巻き起こった。
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これに動揺したのか、高梨はルーキーの森下翔太に2ランを被弾。裏の攻撃では巨人が2点を返したため、浴びていなければ勝利していた手痛い一発となった。
12球団屈指の〝熱さ〟で有名な阪神ファンとはいえ、あまりに異様だったこの光景。発端は、7月2日の東京ドーム・阪神戦にさかのぼる。
「高梨はリリーフで登板した7回、阪神の先頭・近本光司に投じた初球が、右脇腹付近を直撃。その後、近本は肋骨骨折が判明して選手登録を抹消され、19・20日開催のオールスターゲームも辞退しました。これで、高梨は阪神ファンの怒りを買うことになったのです」(スポーツ紙記者)
阪神ファンの攻撃は、グラウンドだけに留まらない。
死球以降、阪神ファンは、高梨のX(旧ツイッター)を連日のように攻撃。高梨が投稿するのはペットや食事といった何気ない画像だが、阪神ファンは近本の一件の恨みから粘着しているようだ。
高梨も7月6日には、《先日のツイートで誤解を招く表現、分かりにくいと多数ご指摘を頂きました》と釈明するなど、対応に手を焼いている様子が見て取れる。
選手会の注意虚しく…SNSにも誹謗中傷が
近本は、7月22日という比較的早いタイミングで一軍復帰を果たし、25日の阪神×巨人戦前には、高梨自ら近本に謝罪。大学の先輩にあたる岡田彰布監督にも謝罪しており、当人同士ではすでに〝済んだ問題〟だ。
「そもそも、故意死球ではなく全力プレーの結果であり、百歩譲って怒りが理解できる危険球でもない。阪神側にも、昨年まで藤浪晋太郎が死球で多くの選手を負傷させてきた過去があるのですから、怒りは二重三重に的外れでしょう」(同・記者)
今シーズンの開幕前日、選手会は「SNS等への投稿についてのお願い」として、選手に対する誹謗中傷を控えるよう呼びかける声明を発表。
《これらの誹謗中傷等を受けた人たちは、大きな不安と恐怖、そして深い悲しみを抱え、試合や私生活に支障が生じてしまう例も出ています》《選手、選手の家族、監督、コーチ、球団スタッフ、審判員を含む関係者の尊厳を傷つけ、プロ野球の魅力を損なう悪質な言動を決して看過することはできません》としており、悪質なものには法的手段を取ることも公言している。
とはいえ、これだけ注意を呼びかけても止まない辺り、まだまだ高梨への誹謗中傷は続きそうだ。
〝一件落着〟とするには、近本・高梨が握手で和解する様子を、双方の球団公式SNSがアップするほかないだろう。
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