(画像)Alexandros Michailidis/Shutterstock
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サラリーマンを狙った“増税”が卑劣!深刻な庶民イジメ発生か…

先日、帝国データバンクが上場企業の「平均年間給与」動向調査(2022年度決算期)を発表した。それによると平均給与は638万円で、過去20年間で最高額。また「労働力の定着・確保」を目的に、4社に1社が昨年より30万円以上もアップしたというのである。


まさにインフレを象徴するような景気のいいニュースだが、実はその一方では庶民イジメとも取れる騒動も勃発しているという。


【関連】自民vs公明の対立再び!? 9月の内閣改造をめぐり三つ巴の“幹事長ポスト” ほか「それが6月末に政府税調が出した中期答申。退職金増税や通勤手当への課税が検討項目に含まれた同答申は、当初から『サラリーマンを狙った増税案』と大批判を浴びた。慌てた岸田首相は、7月25日に自民党の宮沢洋一税調会長と突如面会。『(サラリーマン増税は)まったく考えていない』と強調、火消しに躍起だったのです」(政治部記者)

給料手取りが年間75万円もの落ち込み…

毎日新聞によれば、この騒動が元で内閣支持率は28%(前回比5ポイント減・7月24日時点)に続落したが、それも無理もない話と言わざるを得ない。〝失われた30年〟と呼ばれたデフレ期に、サラリーマンらの給与はすさまじい地盤沈下を起こしていたからだ。

経済評論家が言う。


「国税庁の『民間給与実態統計調査』によれば、97年から20年までの民間企業の年間平均給与は約35万円も下がったという。だが実情はそれ以上で、この間に社会保険料や住民税、消費税なども上昇したため、20年の手取りは97年より75万円も落ち込んでいるとのデータもあるのです」


また、庶民感情を逆なでしたのは22年度の税収が過去最高額を達成したから。それもあって、ネット上には「庶民イジメの答申とは裏腹に、国の財政はウルウルか!」と怒りの声も上がったほどなのだ。


江戸時代の農民は「生かさず殺さず」と言われたが、サラリーマンたちの懐はそれより過酷かも。