(画像)Fer Gregory/Shutterstock
(画像)Fer Gregory/Shutterstock

バブル絶頂期、史上最もテレビが元気だった時代~第1回『放送作家の半世(反省)記』

ここ数年、身近な娯楽の中心はYouTubeやインスタグラム、TikTok、ストリーミング配信など、インターネットを介した動画メディアに移り、われわれの大好きな「テレビ」は制作者や出演者からもオワコン扱いされている。


だが、宮迫博之や中田敦彦(オリエンタルラジオ)、手越祐也などテレビから干されているタレントたちは、逆に口をそろえて「テレビに出たい」と訴える。彼らの中では今もテレビこそが憧れの晴れ舞台なのだ。


【関連】工藤静香が“口パク”を認めた!おニャン子時代の「禁断の裏話」 ほか

「YouTubeに進出したタレントたちは、そもそもテレビに復帰するため〝YouTubeで人気を得ればテレビ関係者も自分たちを無視できないのでは?〟という思惑で参入しています。また、彼らに限らずタレントユーチューバーのほとんどは、現役テレビマンをスタッフに招き入れ、テレビとの縁を断たないように利益を配分しています。タレントYouTubeチャンネルのクオリティーの高さには、そんな裏事情があるのです」(現役の人気放送作家)


今から30年余り前のバブル末期、大麻取締法違反で逮捕されるまでの私は、なかなかの売れっ子放送作家としていくつかの人気番組に携わり、また後に好視聴率を叩き出す新番組の企画にも参加。人生の絶頂を夜の街でも謳歌していた。


要するに私は、調子に乗りまくる典型的なギョーカイ人だったわけだが、逮捕後は当然のように放送作家としての仕事を失い、ゴーストライターやインディーズのAV監督、風俗嬢のヒモなど、さまざまな稼業で糊口をしのいできた。


しかしながら2年前に脳出血を発症し、年齢も60歳を超えた今は、大阪市の片隅でリハビリ療養を送る毎日。そんな私の元を本誌関係者が訪れ、バブル絶頂期、史上最もテレビが元気だった時代の思い出話を書き残せと誘う。

決してオワコンなどではない

現代のコンプライアンスからは、逸脱したエピソードばかりになるだろう。だが、今こそ誰か生き証人が語らねば、令和を生きる読者諸兄に昭和テレビ界のパワーと面白さ、決してオワコンなどではない潜在能力の高さを理解してもらえないのではないか?

逮捕されなければ、今もテレビ界にしがみついていたであろう自分の半生記代わりとしても、本誌関係者の申し出をお受けした次第である。


次週以降は、主に80年代から90年代に人気を博したアイドル番組やアイドルが出演していた歌謡番組、私が担当していた〝第二のおニャン子クラブ〟こと乙女塾のレギュラー番組エピソードに加えて、私が担当した番組の中ではおそらく最も知名度が高い『イカ天』こと『いかすバンド天国』の立ち上げから舞台裏まで、お話ししていきたい。


また『さだまさしのセイヤング』をはじめとするラジオ番組、各テレビ局、ラジオ局で出会った名物ギョーカイ人、タレント、大人気アイドルやマネジャーの奇人変人エピソードも公開するつもりだ。


いくら実話誌系の雑誌メディアとはいえ、このご時世と厳しいコンプライアンス旋風の中、このような連載などいつ吹き飛ばされてしまうか分かったものではない。しかし、連載が続く限り、読者諸兄にはギリギリのエンターテインメントをお届けしていきたい。