プロ野球セ・リーグで巨人、中日、東京ヤクルトが良くも悪くも目立つ中、広島はひときわ地味な存在だ。
広島OB・新井貴浩新監督の就任当初は球界をにぎわせたが、その後派手な話題はないまま。新井監督は非常に高い手腕を見せているものの、その存在が至って目立たないままシーズン終盤を迎えることになりそうだ。
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涙ながらに広島から阪神へのFA移籍を発表し、引退間際には古巣に戻ってプレーするなど広島愛を貫く新井監督。
チームが4年連続でBクラスに低迷する中、監督に就任し、秋のキャンプでは「みんな好きだから」と、好き嫌いが選手の起用法を左右することはないと宣言。シーズンに入ると独特の選手起用を試みた。
広島の場合、首位争いに加わった大きな要因は7月12~27日に記録した10連勝だ。12日は打率リーグ2位で奮闘し、6月から4番起用されてきた西川龍馬が肉離れで登録を抹消された日。指揮官はオーダーの組み替えを余儀なくされていた。
チームは奮闘も観客数が…
2022年シーズン序盤、大半の試合で4番起用してきたマクブルームも二軍で調整中だった。ここで新井監督は西川に代わり、プロ通算3本塁打で、それまでシーズン本塁打1本の上本崇司を22日から4番に起用した。
周囲からは「4番に上本とか大丈夫か」と心配されたものの、上本を4番に抜擢してから5勝を積み上げ、10連勝を達成し、周囲をあっと言わせた。
先発投手では現在、床田寛樹、森下暢仁が防御率1点台をキープ。
守護神・栗林良吏は防御率4点台と不安定で、開幕投手の大瀬良大地もピリッとしない。それでも絶対的主力の鈴木誠也が2021年オフに抜けた穴を全員で埋め合わせている印象だ。首位阪神の背中も見えている。
ただ、いかんせん新井監督の地味なイメージが拭えないデータもある。
「8月6日時点で、ホームゲームの観客動員数はセ・リーグ5位。阪神、巨人よりも少ないのは毎度のこととして、昨年は中日、横浜DeNAよりも多かった。だが、今季はリーグ最下位をひた走る中日に抜かれている。加えて、チームがセ・リーグ3連覇を達成する前の2015年と比較しても、1試合平均2000人程度少なく推移しているのも気がかり」(野球記者)
チームの躍進で地元は沸いているが、それが集客に結び付いていないようだ。監督をはじめとしたファン向けサービスの不足が原因か。
なんにせよ、球団幹部は頭を抱えているだろう。
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