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福岡ソフトバンクホークス“米メジャー31番目の球団”へ野望着々

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5年連続日本一に向け、外国人投手の補強も抜け目ナシ。福岡ソフトバンクホークスの快進撃は、今季も止まりそうにない――。

「弱点? 強いて挙げれば、昨年、日本シリーズでも好投したマット・ムーアが抜けた穴でしょうか。新たに獲得した助っ人右腕のコリン・レイ投手がどこまでやってくれるかは未知数なので」(ベテラン記者)

レイはメジャー通算35試合に登板。大した経歴がある投手ではない。NPB各球団が「日本向き」だとして、マイナーリーガーや無名選手を獲得するのはよくある話だが、レイのソフトバンク入りは、これまでの外国人選手の獲得の経緯とは異なるという。

「ソフトバンクがアメリカ球界でも認知された証しとも捉えられる」(特派記者)

今季、カブスでの先発ローテーション入りが確実視されていたレイ。奇妙な〝経歴〟を持つ投手なのだ。

「2016年7月、レイは当時在籍していたパドレスから交換トレードでマーリンズに移籍しています。移籍のわずか2日後、先発起用されたんですが…」(同・記者)

その移籍初登板で右肘を故障してしまい、トミー・ジョン手術も受けた。通算登板数が少ないのはそのためだ。しかし、これにマーリンズが激怒。「故障者をつかまされた」とパドレスに抗議したのだ。パドレスも、交換選手を戻すことに応じた。

カブスの経営難につけ込んだソフトバンク

「単なるマーリンズのクレームにすぎません。でも、パドレス側は『他球団とのトレードで信頼を失ったら』と、これに応じました。トレード後の返品なんて前代未聞です」(同)

そのレイは、いったんはカブスと21年の契約を結んだが、ソフトバンクがそれ以上の年俸を出すと知り、契約を破棄。カブスはダルビッシュ有を放出しなければならないほどの経営難だった。そこにつけ込んだのが、ソフトバンクである。

「ムーアは日本でリハビリしていたようなもの。19年シーズンに右膝を痛め、米球団は彼との契約に難色を示していた。だったら好待遇のソフトバンクに行き、復活をアピールした方が得策だと捉えたのだろう」(球界関係者)

ムーアに倣い、レイも日本を踏み台にして米球界に返り咲こうとしている。

安く買いたたかれるのなら、ソフトバンクへ。

かつて孫正義オーナーが「世界一を目指す」と言っていたが、米球界では〝31番目の球団〟として認知されつつあるようだ。V5後の野望は、球団ごとメジャーへの移籍か?

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