東京都民の台所・豊洲市場の開場から2年がたった。
築地からの移転に際しては、土壌や地下水の汚染など、食品を扱う場所としては致命的な問題が噴出。小池百合子都知事の横やりも入り、当初の予定から開場が2年もズレ込んだ。
「開場しても、わずか半年でターレ(運搬車)の死亡事故が2件発生。波乱の船出でした」(都庁関係者)
ようやく落ち着いたかと思えば、新型コロナウイルスの感染拡大によって、外食用の水産物の需要が落ち込み、仲買業者は〝かつて経験したことがない〟売り上げの減少に見舞われた。
政府が4月7日に緊急事態宣言を発令後、豊洲市場は水産仲卸売場棟の4階の物販エリアへの一般客の入場を禁止。解除後の6月8日に一部再開した後も、入口では検温してマスク着用を確認するなど、感染防止策を徹底していた。
「ところが、8月9日に市場関係者初の感染者が出た。さらに、お盆開けの19日にも2人目の感染者が出たのです」(同・関係者)
続く9月7日に公表された感染者は、業務上のケガで救急搬送された病院でPCR検査を受けたところ陽性が判明。重大事故とコロナ感染が同時に発生するというダブルパンチとなった。
マグロのせり“見学再開”は大丈夫か!?
「当初、豊洲のイメージダウンを嫌う東京都は、市場関係者の感染者の公表を渋っているフシがあった。小池のオバサンが自分の選挙の宣伝に使えるからって、散々コロナの恐怖をあおっておいて、自分の責任が問われるかも知れない豊洲の感染者は隠そうとするなんて虫がいいにもほどがある。今月6日にも感染者が出てるんだけど、本当はもっと大勢、感染してるってウワサだぜ」(水産仲卸業者)
東京都と豊洲市場は、ホームページなどで感染者を公表すると同時に、《食品そのものにより、新型コロナウイルス感染症に感染したとされる報告はありません》とする農水省の見解を掲載。火消しに躍起だが、生の刺身中心の鮮魚だけに不安は尽きない。
市場名物「マグロのせり」の見学も11月から再開されるが、さらなる感染拡大のリスクが指摘されている。
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