大相撲界は、おめでた続きだ。名古屋場所で北勝富士との優勝決定戦を制し、初優勝した豊昇龍が7月26日、大関に昇進した。先場所後の霧島に続いて2場所連続の新大関誕生になる。
朗報を伝える日本相撲協会からの使者を迎えた豊昇龍は「気魄一閃の精神で努力いたします」と力強く口上を述べた。〝気魄一閃〟という聞き馴れない四字熟語について、豊昇龍は、
「どんなことがあっても力強く立ち向かう、そういう意味で使いました」
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と説明した。いかにも負けん気いっぱいの若き大関らしい言葉だ。初土俵から33場所は、史上10位のスピード出世。八角理事長は「自分を信じて、さらに上を目指してもらいたい」と、もう一段上の横綱への早期昇進を期待した。
ご存知のように豊昇龍は、元横綱朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏の甥っ子。名古屋場所の直前にも、4年半ぶりにモンゴルに帰国した豊昇龍と一緒の時間を過ごして、さまざまにアドバイス。「頼むから、今場所、優勝してくれ」と激励すると「ハイ、頑張ります」と答えたことが伝えられている。
“まず楽しめ”との指令…
豊昇龍は優勝インタビューで「まず親方に、そのあと叔父さんに報告したい」と満面の笑顔を見せ、ダグワドルジ氏は、『久々に涙こぼり』(原文のまま)とツイートしている。
なんとも麗しい叔父甥の関係だが、気になるのはこの叔父の前歴、というより悪歴。史上4位の幕内優勝25回を誇っているが、相撲協会を追放された暴行事件をはじめ、粗暴な言動などで協会上層部を散々悩ませた問題横綱だったことだ。
「いまだに大手を振って大相撲界に出入りできない状態が続いている。もしかしたら豊昇龍の大関昇進をきっかけに、過去にほっかむりして出てきたり、また豊昇龍が尊敬する叔父のまねをして問題行動を起こさないか、相撲関係者は危惧しています。昇進直後、早速その叔父から『(まず)楽しめ』の指令が届いていましたから」(協会関係者)
大相撲界は〝悩みの種〟も尽きない。
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