阪神・岡田監督の“代打救援陣”に不服…弱点露呈で逆転Vに暗雲か!?
前半戦を首位で折り返した岡田阪神だが、僅差の首位攻防戦は、しばらく続くか――。ペナントレースを逃げ切れるかどうか、そのカギは「代打要員」になりそうなのだが、ここに意外な弱点が見つかった。
1割6分4厘。この数値が何かというと、91試合、つまり、広島との首位攻防戦第2ラウンド(7月29日)を終えた時点での、阪神の「代打成功率」だ。ライバル・広島は2割3分8厘でリーグトップ。阪神の数値はリーグワーストだ。
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「今季の阪神の代打の切り札というと、渡邉諒、原口文仁らが思い浮かびます。渡邉のトータルでの打率は1割9分1厘、代打成績は1割4分7厘。原口の代打成績は1割6分1厘、糸原健斗が1割6分7厘でチームトップです」(同29日時点/スポーツ紙記者)
代打でのリーグトップは、広島・上本崇司で4割6分7厘、2位は同じく広島の松山竜平が3割9分3厘。ヤクルトの川端慎吾、DeNAの大和、巨人のA・ウォーカーなども代打で好成績を残しており、「代打成功率2割以上」の選手を持っていないのは、阪神と中日だけだ。
「岡田彰布監督は打撃不振でスタメンを外れた選手も、代打で起用するなどしてモチベーションを持続させてきました。代打陣の成績が良くないのは、その影響かもしれませんね」(在阪メディア・記者)
チーム好調の裏に隠されていたこの「代打陣の低打率」が、夏場以降のペナントレースに大きな影響を与えると、在京球団スタッフは警鐘を鳴らす。
「岡田監督の采配は巧みな投手継投策が有名です。スタミナ勝負、暑さとの戦いとなる8月は、これまで3人のリリーバー投入で片付いていた試合でも4~5人が必要になってきます。セ・リーグは投手も打席に立つので、代打の成績が試合後半に影響してきます」
監督の評価が良くない
阪神の代打陣が覚醒しなければ、接戦が多くなるのは必至だ。夏バテで救援投手が打ち込まれる試合も増えてくるだろう。「WBC出場の影響なのか、右上腕筋を痛めていた湯浅京己が連投テスト2日目の30日、報道陣と目が合うなり、急いで移動バスに乗り込み、『それどころじゃない!』と吐き捨てて去っています。同日の試合後、ファームからの報告を受けた岡田監督が、左脇腹を傷め、長期離脱もあると示唆しました」(在阪メディア・記者)
この湯浅の離脱によりリリーバーの増員は必至となったが、一方で、気になる采配も見られた。
29日の広島との首位攻防戦第2ラウンドでのこと。1人でも多くのリリーバーが必要な状況なのに、岡田監督はK・ケラーを出場登録から外して臨んだ。ここまでK・ケラーの登板数は22試合21回3分の2。岩崎優や岩貞祐太、加治屋蓮が30試合以上に投げているだけに「少ない」という印象は否めない。
「防御率は2点台。決して調子が悪いわけではありません。『岡田監督の評価が高くない』というのが周囲の見方です」(同)
だとすれば、岡田監督は選手をテストする期間を終了させたとも解釈できる。投打ともお眼鏡にかなった選手だけでの「少数精鋭による野球」をやろうとしているのかもしれない。
「スタメンで出場する選手と、ベンチスタートの選手の実力差が代打陣の不甲斐ない成績につながっているのかもしれません」(同)
代打としての成績が芳しくない渡邉たちをかばう声も少なくなかった。
「渡邉は昨年オフに日本ハムからトレードで移籍してきた選手ですが、セ・リーグとパ・リーグでは代打準備のタイミングが異なるんです。試合展開もそうですが、投手に打順がまわってくるセは、点差に関係なく準備しなければなりません」(関係者)
なかなか勝てない青柳…
代打陣が強くなければ、追加点を取るのが厳しくなる。こうした準備のタイミングを教えるのはコーチ陣の仕事だ。今、岡田監督が代打陣の成功率の悪さを口にしないのを見て、「オフに大爆発する」と〝恐れる声〟も聞かれたが…。「現有戦力でできることとできないことを整理し、できることだけをやっていくしかないと覚悟を決めたのでは?」(同)
できることとできないことの線引きだが、29日の首位攻防戦で、岡田監督は「テスト」も行っていた。先発の青柳晃洋が先発する試合で、今季初めて坂本誠志郎とバッテリーを組ませたのだ。
「前半戦、青柳はなかなか勝てませんでした。『青柳の投げる日は、スタメンマスクを梅野隆太郎から坂本に代えたら?』との助言も出ていたんですが、岡田監督はどういうわけか、『青柳が投げる日は梅野』と決め、絶対に代えようとしませんでした」(前出・スポーツ紙記者)
「青柳-坂本」のバッテリーは、低めを丁寧に突き、広島打線を沈黙させた。
「青柳と梅野のコンビは長いので、相手チームに研究されたんです。青柳に後半戦を引っ張ってもらわないと」(前出・同)
試合終盤、S・ノイジーも代打出場させたが、得点には結びつかなかった。追加点が取れないのなら、「先行逃げ切り」しかない。うだるような暑い日が続くが、長期ロード中、岡田監督はたとえ勝ったとしても、気持ちが晴れることはないのかもしれない。
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