大阪・道頓堀が大ピンチ…深刻な客離れで「万博まで持つのか」の声も

コロナ後を見据える形でそれなりに経済が動き出し、東京では人出が増え、街は活気を取り戻しつつある。これに対し、いまだ深刻なダメージの中にあるのが、大阪の道頓堀だ。

近年はインバウンド観光客の増加により、それを当て込んでの街づくりを進めてきた。しかし、コロナ禍による反動は想像以上に大きかった。

老舗の飲食店は閉店、チェーン店は撤退、満室になるはずだったホテルは開業延期。通りはシャッターが下がりっぱなしの店舗や、作業が中断したままの工事現場が目立って仕方がない。

元は役者だったという、ある街の古老が語る。

「ここが劇場街やったころには、街にはにぎわいも情緒もあった。今はそんなもん、どこにもあらへん。(ミヤコ)蝶々さんや(藤山)寛美先生が生きてたら、さぞかし嘆いてはるやろな」

インバウンドへの依存度が高過ぎた!?

風俗店や飲み屋の客引きは、夜の集客が期待できないので、真っ昼間から声を掛けている。人出が少ないので、その動きはよく目立つが、彼らは「摘発は覚悟の上」と話す。状況はそれほど逼迫しているのだ。

「ミナミの道頓堀は、キタなんかと比べるとインバウンドへの依存度が高かった。その分、ダメージが深刻なんです」(地元紙記者)

当面の頼みの綱は「GoToイート」だが、適用が庶民的とは言い難いだけに、大きな期待を持てないのが実情。また、たとえコロナが収束したとしても、今の中国の政情を思えば、すぐ元に戻るとは限らない。

「中国はインバウンドさえ、外交上の駆け引きに使ってくる可能性がありますからね」(全国紙記者)

道頓堀では、今や「万博まで頑張ろう」が合言葉だという。大阪・関西万博の開催は2025年。何とか、それまで持ちこたえてほしい。