元祖アイドルレスラー井上貴子インタビュー~50すぎまで現役でいられるのはジャガー横田さんのおかげ~
群を抜くかわいらしさで〝元祖アイドルレスラー〟と呼ばれた井上貴子は、いまだ変わらぬ美貌と魅力で現役を続けながら、プロレスと真摯に向き合っている。今年11月にはデビュー35周年の記念興行を開催するというレジェンドに、長いプロレス生活の思い出と今後の抱負について、赤裸々に語ってもらった。
【関連】プロレスラー、ユーチューバー、AV女優/ちゃんよたインタビュー~マルチすぎる分野で活躍する元警察官!? ほか
※※※※※※※※※※※※
――今年でプロレスデビュー35周年を迎えましたが、長かったですか?
井上 あっという間とも言えるけど、振り返ればいろいろありましたね。
――これまで辞めようと思ったことは?
井上 全女(全日本女子プロレス)に入って2日で辞めたいと思いました(笑)。
――それほど辛かった?
井上 最初の頃はアイドルレスラーとして、ちやほやされていましたから、CDを出したり、写真集を出したり、試合後もインタビューやテレビ出演などで忙しくしていました。でも、そのうち同期の井上京子がメキメキ強くなって、獄門党として毎日メインで出るようになり、後輩たちも伸びてきて、振り返ると自分はプロレスで成長してなかったと気づいたんです。
そんなときに、ちょうど団体対抗戦が始まって、堀田祐美子さんと出場することになりました。全女の大会があるのに、私たちは主力選手ではないから対抗戦に出るんだなと思ったけど、うるさい先輩もいないし、しがらみもないし、堀田さんと「好きなことをやって暴れて帰ってこよう」と言って挑んだんです。
ブル中野さんにすすめられたYouTube
ところが、それがものすごく楽しかった。試合の直前まで辞めるつもりだったんですが、その日に辞めるのを辞めました(笑)。そこで初めて、自分のプロレスが自然とできたんです。注目されることでプロレスが面白くなってきました。だから私自身は、対抗戦をきっかけにして、もっと強くならなければいけないと思い始めたので、プロレスラーとしては遅咲きという意識ですね。
――試合のペースはどれくらいですか?
井上 全女の頃は、毎日試合でした。移動以外は試合です。移動のバスで寝泊まりしていましたが、バスの中は意外とリラックスできるんですよ。先輩になれば座席を2つ使えるので、そこにボックスなどを置いてフラットにして寝ていました。プロレス漬けの毎日でしたが楽しかったですね。
今は3カ月に1回程度のペースですが、試合が決まればコンディションを整えたり、どんな試合運びをしようかと考えたり、やっぱりプロレスは楽しいです。また、試合が終わった後の爽快感がいいですね。でも、まさか自分が50すぎまでプロレスをやっているとは思いませんでした(笑)。
――現在はYouTubeの『貴子ちゃんちゅーぶ』が人気です。こちらを始めたきっかけは?
井上 ブル中野さんの『ぶるちゃんねる』にゲストで呼んでいただいた後、ブルさんと食事に行ったときに「なぜYouTubeをやらないの?」と聞かれたのがきっかけです。
初めはプロレスと関係ない人と話して、自分のスキルを上げようとしていましたが、だんだんプロレスとかけ離れてしまって。そこで、今は行きつけのお店を訪ねたり、先輩レスラーの方々にご出演いただいたりしています。引退してからお店をやっている方も多くて、お邪魔してお話しするのが楽しいです。
全女はストロングスタイル
――見ていると自由に楽しくやっていますよね。井上 意外に思われますが、私はお酒が飲めないんです。体質的にまったく受け付けなくて、試しに飲んだときは救急車で運ばれちゃいました(笑)。でも、飲む場にいるのは好きなので、周りの皆さんが酔って記憶をなくしても、私は何でも覚えていますよ!
――どれぐらいの頻度で更新されていますか?
井上 多少、都合によって遅れることはありますけど、今のところ毎週土曜日、週一で更新しています。YouTubeを始めたら楽しいですね。昔はファンレターとか試合会場でしか、ファンの方と接することができなかったけど、今はSNSでダイレクトに交流できるし、コメントもすぐ入りますからね。
――現在はアイドル系のプロレスラーが大勢いますが、元祖アイドルレスラーとしてどう思われますか?
井上 キューティー鈴木さんや私はアイドルレスラーと呼ばれていましたが、私たちはまずプロレスが一番でした。私は全女育ちなのでストロングスタイルです。強い弱いは別にしても、プロレスができてこそのアイドルレスラーではないかと思います。もちろん若くても、ちゃんとできる子はいますよ。
なので、うちの団体の後輩には、しっかりと基本を身につけさせています。練習は大変ですが、それについてきてもらわないと。受け身がちゃんと取れないと危険ですからね。プロレスラーとしての肉体をつくるためには、最低でも2年はかかります。
プロレスでは「技をもらう」とか「技を食らう」と言うのですが、基本は受け身です。「この人のこの技を私が一番美しく受けてやる」と、常にそう思って試合に挑む。それが観客の皆さんに、楽しんでもらうことにつながりますから。
他団体の子でも、教えてほしいと言われれば教えてあげますよ。私は若いときに、ジャガー横田さんから丁寧に教えていただきました。だから今でも現役でやれるんだと思います。ジャガーさんには感謝しかないですね。
11月に35周年の記念興行
――貴子さんといえばスタンガンの印象も強いですが、凶器にしたきっかけは?井上 全女の大量離脱事件のとき、お給料が出ないとかそれぞれの事情があったのですが、私はCMの契約などが残っていて、辞めるに辞められませんでした。そのとき(井上)京子と仲違いしてしまって。後に京子とのシングル戦が決まったら報道も加熱して、2人で殺し合いをするくらいになったんです。
向こうは100キロ、私は60キロでの対戦。どうしても体の大きさでは不利なので、何か作戦はないかと考えていたときに、アメリカのスタンガンマッチを見たんです。それがヒントになって威嚇のために使い始めたらインパクト大で、凶器になりました。でも、京子とは仲直りしましたよ。
――コスチュームはその頃から黒いイメージに?
井上 コスチュームはずっとデザイナーさんにお任せでした。その方がすごく私のイメージに合わせて作ってくださって、毎回どんなコスチュームになるのか楽しみでした。たぶん、そのときに黒になったと思います。残念ながらその方が亡くなってしまって、今は他のデザイナーの方と相談しながら作っています。
――35周年記念興行のご予定は?
井上 はい、同じ35周年の京子とも何かやりたいし、私の記念興行は11月に東京ドームシティホールでやる予定です。そのときには今、懸命に練習している新人がデビューするかもしれません。プロレスはもちろん、タレントさんのショーもあります。35周年コスチュームも作る予定ですので楽しみにしてください!
――では、最後に週刊実話の読者に向けて、貴子さんから一言お願いします。
井上 読者の方は青春時代を思い出して、また女子プロレスを見てほしいし、もちろん若い子たちにも見てほしい。それぞれの感性でぜひ楽しんでいただければうれしいです。
◆井上貴子(いのうえ・たかこ) 1969年11月7日、茨城県取手市生まれ。88年10月10日、全日本女子プロレスの後楽園ホール大会でデビュー(井上京子戦)。94年10月、井上京子と組んでWWWA世界タッグ王座、96年11月、WWWAオールパシフィック王座を獲得。得意技はオーロラ・スペシャル、ディスティニー・ハンマー、バックドロップ、スタンガン攻撃、バックハンドブローなど。身長163センチ、体重58キロ。LLPW-X所属。
合わせて読みたい
-
“魔性の女”との不倫が原因で…「SHOGUN」真田広之が愛した3人の女優
2024.10.09 芸能 -
雛形あきこ年下のイケメンマネジャーと車内で…「揺れる送迎車」記事で離婚【美女たちの不倫履歴書41】
2024.01.03 芸能 -
視聴率ダダ下がり! 日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』視聴者離れの原因は「負のスパイラルに陥っている」
2024.11.17 芸能 -
凡ミス!?『海に眠るダイヤモンド』1950年代なのに子役の首にネッククーラー「未来の子供いて笑った」
2024.11.19 芸能 -
『テレ東音楽祭』大好評の裏でTOBEにトラブル…北山宏光の“観覧詐欺疑惑メール”にファン心痛「しっかりしてくれ」
2024.11.22 芸能 -
『紅白歌合戦』K-POP勢“6組出場”に一部のSNSユーザーが激怒も…「納得」でしかない選出理由
2024.11.21 芸能 -
石破政権が“倒閣封じ”を画策「前門の玉木」「後門の小沢」を退ける3つの掃討作戦
2024.11.22 -
「ジェシーと別れてほしい」綾瀬はるか主演映画『ルート29』大コケで関係者から漏れる本音
2024.11.20 芸能 -
浜崎あゆみがついに「加工前」と「加工後」のビフォーアフター公開で業界騒然!
2023.02.28 芸能 -
銀座で「隕石を売る男」が経験したドン底人生からの大逆転劇【隕石王子の数奇な運命①】
2024.11.15 エンタメ
合わせて読みたい
-
“魔性の女”との不倫が原因で…「SHOGUN」真田広之が愛した3人の女優
2024.10.09 芸能 -
雛形あきこ年下のイケメンマネジャーと車内で…「揺れる送迎車」記事で離婚【美女たちの不倫履歴書41】
2024.01.03 芸能 -
視聴率ダダ下がり! 日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』視聴者離れの原因は「負のスパイラルに陥っている」
2024.11.17 芸能 -
凡ミス!?『海に眠るダイヤモンド』1950年代なのに子役の首にネッククーラー「未来の子供いて笑った」
2024.11.19 芸能 -
『テレ東音楽祭』大好評の裏でTOBEにトラブル…北山宏光の“観覧詐欺疑惑メール”にファン心痛「しっかりしてくれ」
2024.11.22 芸能 -
『紅白歌合戦』K-POP勢“6組出場”に一部のSNSユーザーが激怒も…「納得」でしかない選出理由
2024.11.21 芸能 -
石破政権が“倒閣封じ”を画策「前門の玉木」「後門の小沢」を退ける3つの掃討作戦
2024.11.22 -
「ジェシーと別れてほしい」綾瀬はるか主演映画『ルート29』大コケで関係者から漏れる本音
2024.11.20 芸能 -
浜崎あゆみがついに「加工前」と「加工後」のビフォーアフター公開で業界騒然!
2023.02.28 芸能 -
銀座で「隕石を売る男」が経験したドン底人生からの大逆転劇【隕石王子の数奇な運命①】
2024.11.15 エンタメ