(画像)Roman Samborskyi/Shutterstock
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藤井聡太七冠のトイレタイムは超短い!? 終局後にダッシュか…

7月25・26日の王位戦七番勝負第3局で藤井聡太七冠(王位)が勝ち、王位防衛に一歩近づいた。


2日目の昼を過ぎても難解な将棋が続いたが、リードを奪えたのは昼すぎに補給したおやつの効果…なのだろうか?


もしかしたら、藤井七冠が対局中におやつを口にする様子を見て、うらやましくなった観戦者もいるかもしれない。アマチュアを含めた将棋指しのおやつ、飲み物事情を紹介しよう。


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王位戦第3局のおやつを振り返ると、藤井七冠は1日目に水ようかんとアップルパイ、2日目にパフェをオーダー。挑戦者の佐々木大地七段は1日目にパフェ、2日目にココナッツのブランマンジェを注文した。


プロの場合、1日制だと対局は朝に始まって終わるのは夜、もしくは深夜。2日制でも両日ともに朝に始まって、たいてい終わるのは午後6時過ぎだ。


昼食、夕食休憩があったとしても、集中力を研ぎ澄ませるために、それぞれ食べ物、飲み物に工夫を凝らさなければならない。


おやつといえば有名なのが加藤一二三九段で、かつてはおもむろに板チョコを取り出し、割りもせずにかぶりつく光景が見られた。


また、永瀬拓矢王座は大量のバナナをほおばるし、対局開始前に大量のペットボトルを持ち込み、ボウリングのピン状に並べる棋士もいる。


しかし、そんなに食べて飲んで〝あっち〟は大丈夫なのか。

将棋指しのおやつ&トイレ事情は…

アマチュアの場合は、両対局者に与えられた持ち時間が切れると、一手30秒以内に指さなければならない。中には持ち時間が切れると即負けになる「切れ負け」のルールを設ける大会もあり、プロ以上に高速の判断が求められる。

集中し続けるとどうしても喉が乾く。だから飲み物に手を伸ばすことになるのだが、飲み過ぎるとトイレが近くなる。こうなると、自分の喉と膀胱のせめぎ合いだ。


終盤に万が一のことがあると、自分が指してから約30秒後に相手が指すとして、その後30秒で自分が指さなければ時間切れ負けとなる。つまりは60秒以内にトイレを済ませる必要がある。これはかなり厳しい。


一方、プロは早指し棋戦を除けば、持ち時間が切れると1手60秒の秒読みとなる。極端な話、相手がノータイムで指すことさえなければ、120秒以内にトイレに行って戻り指せばいい。これならある程度飲み食いしていてもなんとかなる…気もする。


プロの場合は不測の事態に備えてか、持ち時間を1分だけを残して指し続ける場合も多い。


アマチュアの世界では、対局中に食べ物は厳禁。一日かけて一局の将棋を指すプロとは違い、長くても1時間程度で一局が終わるアマチュアに食べ物は必要ない。ただ、タブレット菓子で脳に刺激を与えようとするアマチュアは多い。それでも数粒を口の中に放り込む程度だ。


プロが将棋盤の前で優雅にケーキやパフェを食べる姿は奇妙にも映るが、集中力を維持しながら最高峰の戦いを展開する上では欠かせないものなのだ。