監督／マイ・ホン 出演／ネイサン・ケーン、ジェフ・ジャドキンス、デヴィッド・ジョバンニ 配給／ファインフィルムズ

今週は、89分のとても可愛いドキュメンタリー作品をご紹介したいと思います。

「あなたは猫派ですか？　それとも犬派ですか？」

正直言って私はこの質問が嫌いです。どうでもいいと思っちゃう。…というか、どっちも大好き。子猫、子犬は最高に癒やされます。可愛くてたまらないし、一日中見ていられる。そして、大人になった犬と猫は人間との信頼関係を築き上げているので、言うことを聞いたり芸をしたり、おなかが空いたら甘えてきたりと、強い絆を感じることができるパートナー的存在。

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今回の映画は、猫を愛する9人の男性の姿をとらえた『猫と、とうさん』。オリジナルタイトルは『CAT DADDIES』。このバランスが好き。だって、猫とお父さんですよ！　可愛い＆リアリスティックです。

小さな猫は命を救えます。特にそれを感じたのは路上生活者のデヴィッドの場合。道で猫のラッキーと出会ってから、過酷な環境でも生きる希望が湧いていたデヴィッド。そんな彼は、ある日、病で倒れてしまう。いろんな人の助けで入院することができたけど、その間ラッキーの面倒を見てくれたのは、なんと、毎日デヴィッドの前を通っていて仲良くなった人たち。動物が人間の心をつなげたのです。

癒やしを与えてくれる家族

他にも、消防署に住み着いたフレイムという猫は消防士たちを毎日見守っています。みんなが出動するときはサーッと邪魔にならないようにする。さらに、いつも両手を上げてくれるミステリアスな白黒の猫ちゃんキースも魅力的。〝何かの生まれ変わりかな？〟と思ってしまうほどです。

ジーッと一点を見つめる猫もいれば、猫じゃらしで激しく遊んだり、おとなしくてナデナデしてほしい甘えん坊の猫もいます。でも、総じて言えるのは、どんな状況にあろうとも感じ合うことができる飼い主との信頼関係だと思います。

どうやら、猫を飼ってるオジサンって世間では少し引かれてしまうことがあるらしいけど、私には理解できません。だって小さな命を大事にしてくれる男性って、素敵に見えませんか？

ちなみに、猫も犬も大好きな私はというと、残念ながら猫アレルギーです。飼いたくても飼えません。でも、猫との出会いと生活を見て、優しい気持ちになりました。飼ってなくてもこの作品を見ただけで心がホッとします。それだけ動物はパワーを持っていますね。

皆さまの家にはどんな家族がいますか？　暑い日が続く中、あなたの疲れた心を癒やしてくれるのは猫かもしれませんよ！

LiLiCo 映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS『王様のブランチ』、CX『ノンストップ』などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中。