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女優/行平あい佳インタビュー〜母・寺島まゆみとの初共演が実現!〜

行平あい佳
行平あい佳(C)週刊実話Web

NHKの朝の連続テレビ小説『スカーレット』(19年)や壇蜜の出世作となった『私の奴隷になりなさい』の続編『第2章 ご主人様と呼ばせてください』(18年)で初主演した行平あい佳がこの夏、新境地に挑んでいる。日活映画『セフレの品格 初恋』『セフレの品格 決意』(7月21日、8月4日、2部作連続公開)で、『劇団EXILE』青柳翔とのダブル主演により濃密な濡れ場を披露しているのだ。

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『セフレの品格』の物語は、湊よりこの同名レディコミ作品(双葉社)が原作。同窓会で再会し、一夜を共にした男女(行平演じる抄子と青柳演じる一樹)の心情や関係性が描かれる。抄子は派遣社員として働きながら、娘を育てているバツ2。一樹は抄子の初恋の相手でバツ1の産婦人科医だが、特定の恋人を持たずセフレが何人もいる設定。さらには、行平の母親でありロマンポルノの伝説的アイドル・寺島まゆみとも念願の初共演。話題盛りだくさんの本作の秘話を聞いた。

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――タイトルにインパクトのある作品ですが、オーディションにはどんな意気込みで臨んだのでしょう?

行平 監督の城定秀夫さんとは『私の奴隷になりなさい』第2章と第3章でお世話になっているのですが、芝居の幅が広がったというか、私にとってはあの作品は大きな転機でした。とても感謝しているので、5年ぶりにお会いしたのもあり、原作を読んだ感想を一気にまくし立ててしまいました。

――それで、監督さんたちの反応は?

行平 オーディションでは、城定監督とプロデューサーの久保(和明)さんから「抄子をやってみて」と言われました。ヒロインの抄子は年齢設定が自分より年が上だったのと、2回離婚して小学生の子供もいる役だったので、ちょっと違うかなというのがありましたが…。

――選ばれたポイントは何だと思いますか?

行平 まったく思い当たらないです(笑)。強いて言うなら、私自身のデビューが27歳と遅かったので、普通に生活してきた時間が長い分、普通のことが普通にやれるのがよかったのかもしれません。生活力があるイメージが、ヒロインの生き様に通じていたのかなと思います。

根底にあるのは自分の自立

――ヒロインの抄子は初恋の人と一夜を共にしますが、「セフレなら関係を続けられる」と提案されて悩みます。そもそも「セフレ」という言葉に対するイメージはどうですか?

行平 文字面だけを見るとインパクトがありますよね。私自身、この作品に関わらなければ、世間一般の人と似たようなイメージだったと思います。でも、原作を読むと絵がとても綺麗で繊細で、二度離婚して子供もいて色々あった抄子だけど、初恋をずっと大事にしているんです。一番大切にする気持ちは消えないんだな…というのが、同じ女性としてすごく共感できました。

――セフレへのイメージは変わりましたか?

行平 やはり、セフレという関係性を選択するのは、そのときの心理状態とか置かれている環境など、ちゃんと自立してるからこそなんじゃないかなと思うようになりました。愛人となると、金銭的な主従関係みたいなのができるけど、セフレは自立している者同士のものなんだなと。自分を卑下するときに使う言葉でもなければ、大っぴらに言うことでもない。2人だけが分かっていて大切にしていれば、それはそれでいいんじゃないかなと思いますね。

――では、タイトルにもなっている、セフレの品格ってなんだと思います?

行平 根底にあるのは、自分の自立だと思います。「自分が自分であることがセフレのプライド=品格」だと思いながら演じていました。

――今回、初共演となった青柳翔さん(一樹役)の印象はどうでしたか?

行平 出演作を何本か拝見したのですが、男気! を感じる役が多い方なので、ちょっと無骨な感じなのかな…と思ったんです。ところが、本当におおらかというか体格も大きいですし、ドンと構えてらしてベッドシーンでも頼りがいがあって、最初から「お任せしちゃおう」と甘えさせていただきました。

――青柳さんとのシーンで印象深いのは?

行平 旅行に行って浴衣を着て、神社の参道を歩くシーンがあるんです。「セフレだからデートはしない」と言われているのに、あるきっかけで行くのですが、台本ではそこで「(彼の方から)手をつなぐ」と書いてあったんです。でも、私的には「つなぐかなぁ!?」と疑問を感じていたんです。もしかしたら、流れの中で手をつなぎたくなるのかも…と思いながらそのシーンを迎えたのですが、やはりちょっと違うなと思い、監督に「このシーン、手をつなぐってあるんですけど…」と言いかけたら、食い気味に「つながないです」と言われて、「ですよねぇ」と納得しました。そういう意味でも、大好きなシーンです。

同窓会で知った意外な事実

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行平あい佳(C)週刊実話Web 

――行平さんは以前、雑誌のインタビューで、「母(寺島まゆみ)娘二代での日活ロマンポルノ出演が夢」とおっしゃっていました。本作はロマンポルノではありませんが、日活作品での主演を果たせた上に初共演も叶ったわけですね。

行平 原作を読んだときから大切に撮りたいなと思うシーンがあったんです。青柳さんとおでんの屋台で飲むシーン。抄子からしたら、体だけの関係と言われてるのに、初めてのデートみたいな場面なので、すごくうれしかったと思うんです。そこに居合わせるのが、母と伊藤克信さんの熟年カップル。何気ない会話しかしないのですが、とても印象深いシーンになりました。

――お母さんもオーディションで?

行平 これはもう、城定監督からのプレゼントみたいなものだったのかもしれません。その役を誰がやるかは決まってなかったのですが、監督が母にオファーしてくださったらしいんです。

――熟年カップルの馴れ初めを聞くなど、とても自然な演技でしたが、手ごたえはありましたか?

行平 共演が決まったときは「うれしい」という感じで単純に喜んでいたのですが、撮影当日は緊張でガチガチでした。それまでほとんどセリフを噛んだりすることはなかったのに、椅子に座った瞬間、まったく出てこなかったんです。

――演技に関して、お母さんの評価はどうでした?

行平 私も映画作りをしていた経験があるので、母に対しては尊敬しかなくて。映画の中で生きていたこと自体がすごく格好いいと思うんです。主演したロマンポルノも、作品としてとても面白く見ました。母はアイドル寄りの活動だったので、素直に羨ましいと思ったくらいです。そんな母から試写会の後「いろんな芝居をやれるようになったんだね」と珍しく褒めてもらえたのがうれしかったです。

――本作では同窓会がきっかけで初恋の男性とセフレの関係になるのですが、ご自身は同窓会に思い出はありますか?

行平 大学生のときだったか、一度だけ高校の同窓会に出たことがあります。そのとき、当時好きだった人の名前を無記名で書いて読み上げる、というイベントがあったんですね。それが結構面白くて、私が書いた男の子の名前は1回しか読み上げられませんでした。「競合他社はいなかったんだ…」と思って(笑)。

――逆に、自分の名前は出なかった?

行平 なかったです。当時はとにかく陰キャだったので、私の存在自体を知ってる人がいたのかどうか…。以来、オタク性はますます深まってしまっているのですが。たぶん、それが恋人のできない原因です(笑)。

◆ゆきひらあいか 1991年8月8日生まれ。早稲田大学卒業後、フリーランスの助監督を経て、2017年から俳優活動を開始。映画『私の奴隷になりなさい 第2章 ご主人様と呼ばせてください』(18年)でヒロインに抜擢。主演映画『アララト 誰でもない恋人たちの風景vol.3』(21年)、テレビドラマ『リバーサルオーケストラ』(23年、日本テレビ系)等に出演。ツイッター@yukihira_aika

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