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蝶野正洋『黒の履歴書』~宗教と政治家の金銭問題

蝶野正洋
蝶野正洋 (C)週刊実話Web

安倍元総理が銃撃された事件から1年が経ち、各地で追悼行事などが行われた。実感として、もう1年経ったんだなという想いがある。世の中の流れが速くなったというのもあるけど、やっぱりこの事件についての検証があまり進展していないということもあると思う。


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犯行の動機とされる、政治と宗教の問題もクローズアップされたけれども、これはいまだに全容がつかめていない。

一部の政治家が宗教団体と深い繋がりがあるということは分かってきたけど、それをどう解消していくのか。さらに宗教法人や公益財団に対する特例のような扱いにもメスを入れないといけないし、修正すべきことがたくさん出てきた。

そもそも、宗教とカネの問題に対して切り込んでいくのが非常に難しい。

特定の宗教の信者ではない一般的な日本人でも、お正月には初詣に行ってお賽銭を入れるし、お守りを買って身につけたりしている。それに七五三や厄祓いなどの儀式に対してもお金を払うけど、あれも「宗教団体に対する献金」と言われるようなことかもしれない。

たくさんお賽銭を入れた人が、より救われるかといったらそうじゃない。要するに、日本人は宗教と意識してなくても、形のない「ご利益」に対してお金を払う習慣が根付いている。でも、それも文化というか気持ちや想いをまとめるという意味があると思うから、単純に割り切れない部分はある。

日本の税収は過去最高額

ただ、お金が動くということは、マネーロンダリングの問題も出てくる。だからこそ、宗教団体というのは、あらゆる意味でブラックホールなんだよね。

こうした問題を先送りにしているせいか、岸田内閣の支持率も下がっている。まぁこれは不景気で値上げラッシュが続いているのに増税ばかりしているから、というのもあるだろうね。

中小企業に対しても税金は重くなっている。会社で売り上げ1億円を達成して、利益率10%で1000万円儲かったと思ったら、その10%分を消費税で取られて利益が吹っ飛んだ、なんてことがある。助成金を貰っても、そこから税金を払わなきゃいけないからね。

出すときも入ってくるときも、お金が動いたところに税金を取られてしまうから、そりゃ経済活動は滞るよ。何も動かさずタンス預金にしておけば、少なくとも税金を取られることはないからね。それでいて昨年度の日本の税収は過去最高額だという。日本国民はよく怒らないでいられるよね。

フランスでは大規模な暴動が広がっているけど、あれは経済格差に加えて、移民問題が根本にある。イギリスやドイツでも移民に対する保護が行きすぎて、自国の人たちが仕事を失っているという。

俺が5年ぐらい前にドイツに行ったとき、滞在先の近くでイスラム系移民とドイツ国民の抗争が起きて、死者が出るほどの騒ぎがあった。詳しいことを知ろうとテレビのニュースを見たけど、その事件については触れられなかった。それくらい日常茶飯事なことなのか、それとも報道することでさらなる衝突が広がるのを防ぐためなのか、どちらにしても事実を隠蔽するような雰囲気を感じた。

政治的に踏み込めないタブーがあって、報道もされないというのは、どの国も同じなのかもしれないね。

蝶野正洋
1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。

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