東京ドーム(C)週刊実話 
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原巨人の悲願セ・リーグ“DH制導入”へ!? 西武オーナーが後押しに回る裏事情

メジャーリーグに続け、追い越せとばかり、セ・リーグへのDH制導入を推進する巨人・原辰徳監督。これを、リーグの違う西武が後押しするのはなぜなのか。強制性交容疑で書類送検された西武・山川穂高選手の問題もからんで、由々しき事態に発展か?


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原巨人が熱望する「セ・リーグのDH制」導入が大きく進展した。オーナー会議で議長を務める西武・後藤高志オーナーが後押し。見返りは山川穂高の巨人受け入れ!? 巨人とレオが「打算同盟結成」へ――。


「メジャーにならってルールを改正するなら、ピッチクロックよりセのDH制採用が先。順番が違う」


プロ野球オーナー会議が7月10日に都内で開かれ、暗礁に乗り上げているセ・リーグのDH制導入について意見が交わされた。今回のメインのテーマは、試合時間の短縮。メジャーリーグ(MLB)は毎年、新たな改革を実施しており、その対応が協議された。


スポーツ紙は今季からMLBで導入されたピッチクロック(投手が打者に投球するまでに使える時間を制限する仕組み)の導入を大きく取り上げたが、それだけではない。昨季ナ・リーグが導入し、MLBが「ユニバーサルDH(両リーグでのDH採用)」に統一した件も俎上に載せられた。日本の野球規則はMLBルールが基本だからだ。


今年度の議長を務める西武の後藤オーナーは「ピッチクロック採用の検討開始に異論は一切なかった」と会見で話し、「試合時間の長さが(ファン拡大の)ネックになっている」と指摘。セのDH制採用も含め、12球団でスピーディー化に取り組む方針を確認した。


歯切れが悪いのはDH制採用は日本プロ野球(NPB)マターではなく、セ・リーグの決議案件だからだ。


セのDH制問題は、2019年、20年の日本シリーズで巨人がソフトバンクに2年連続で0勝4敗で大敗したのが発端だ。原辰徳監督の要望に沿って、山口寿一オーナーが21年にセ・リーグ理事会に採用を提案した。

必要なのは時短

しかし、賛成したのは巨人だけだった。中日がやや賛成、他の4球団はこぞって反対。笛吹けども踊らずの状況が続いたが、ここにきて風向きが変わった。

「オーナー会議で、議長の後藤オーナーが目的をリーグ間の戦力的格差是正から時短にすり替えたことで、採用の流れに…。確かに順番からいっても、ルールを変えるなら、ピッチクロックの導入よりこちらが先、もっともな意見です」(セ球団のNPB担当職員)


なぜ今、時短が必要なのか。一番の理由は、若者の野球離れを防ぐためだ。スマホやタブレットの普及により、3時間を超すプロ野球をテレビで観戦するファンが年々減少し、地上波の試合中継はほぼ姿を消しているのだ。


プロ野球の昨季の平均試合時間は3時間8〜9分。2リーグ分立時(1950年)は1時間44分だった。長嶋茂雄、王貞治が活躍した巨人V9時代(65〜73年)でさえ、試合は午後7時に始まり、約2時間で終了。現在より1時間以上も短かったのだ。


「実質のプレー時間は20〜30分と変わらないのに、サイン交換や代打、継投、守備固めなどの選手交代…プレー以外のことが増えたのが原因。そこでセもDH制を導入して原点回帰を図ってはどうかということ」(スポーツ紙デスク)


本来なら相手リーグは不可侵の領域だが、パのオーナーがあえて踏み込んだのは、巨人との関係強化の狙いがあるからだ。


ここから透けるのが、知人女性への強制性交等の疑いで書類送検され、実質謹慎中の西武・山川穂高の去就だ。


この問題では「大変遺憾であり、残念」と謝罪している後藤オーナー。しかし、処分については「まだ検察の判断が出ていない。そこが出てから」、「不起訴なら復帰させる」とも取れる微妙な言い回しをしている。

巨人の望むDH制のために

理由は、ここに来て「ハニートラップ説」が流れるなど、不起訴の観測が強まっているからだ。山川自身も、被害女性に1億円の示談金を支払う方向で進んでいた話を転換。「無理矢理ではなかった」という証拠を用意し、反訴の準備を進めているという。

この手の話題なら「文春砲」だが、実は警視庁や東京地検に番記者を張り付けている新聞社の方が情報を掌握している。中でも最強なのが、巨人の親会社・読売新聞社会部。組織立った情報収集力は群を抜く。


西武の渡辺久信GMは、現役時代にバッテリーを組んだ巨人の大久保博元一軍打撃チーフコーチを通じ、女性問題にも詳しい原監督に相談。間接的に検察の判断を探っているという。


「その見返りが、原巨人が熱望するセのDH制導入の援護なのだろう。親会社の鉄道つながりで首位阪神が賛成に回り、クライマックスシリーズから全試合実施の可能性が出ている」(前出・スポーツ紙デスク)


7月16日現在、首位阪神に5.5差で4位の原巨人だが、3位でポストシーズンに滑り込めれば、DH制を利して逆転日本一の夢が膨らむ。西武が巨人に恩を売る狙いもそこにある。


山川は昨季41本塁打、90打点のリーグ2冠だがチームの看板選手に対して、西武ファンがソッポ。トレードして大物選手を獲ろうにも、相手先が見つからない。


「山川は、国内FA権獲得まであと17日。起訴、不起訴は7月中にも決まる見込みですが、不起訴となっても一般市民が検察審査会に不服を申し立てる可能性が高く、今季中の一軍復帰、トレードは不可能に近いです」(担当記者)


そこで西武はシーズン終了後、巨人にトレードの手はずを整えている。相手は将来有望な複数選手。そうなった場合、巨人は1年限りでソフトバンクにFA移籍されるリスクを負うが、原監督の任期は来年いっぱい。有終の美を飾るため、犠牲を払っても獲りにいく。


その前提になるのが、来季からのセのDH制導入なのだ。打算だらけの同盟結成ではあるが、お互い全幅の信頼を寄せている。