夏に乳幼児を中心に流行する感染症で、大人が罹ると重症化する「ヘルパンギーナ」が、全国各地で猛威を振るっている。同時に風邪に似た症状の「RSウイルス感染症」の患者も急増。ヘルパンギーナについては、6月下旬に鹿児島や静岡など18都府県で警報レベルの流行となっており、政府が注意を呼び掛けている。
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夏に流行する感染症は手足口病、ヘルパンギーナ、プール熱(咽頭結膜熱)があり、これらを〝3大夏風邪〟と呼ぶこともある。いずれも、保育園や幼稚園で子供たちが感染することが多い疾患だ。
「38度以上の発熱、口の中にできる水泡が主な症状です。水泡が破れたことによる口腔内の痛みで食欲不振、脱水症状を起こすこともある。ヘルパンギーナは、エンテロウイルス属のコクサッキーウイルス感染で発症する」(都内の小児科医)
ヘルパンギーナの原因となるコクサッキーウイルスに効果のある治療薬はなく、対症療法を試みながら自身の免疫で自然に軽快するのを待つしかない。
大人がヘルパンギーナに罹ると、乳幼児より症状が重いとされ、39〜40度の高熱、頭痛や倦怠感、関節痛、筋肉痛などを引き起こす。予防は手洗い、マスク着用など、新型コロナ対策と変わらない。
効果のある治療薬がない
ヘルパンギーナが流行する一方で、RSウイルス感染症の患者も急増中だ。RSウイルスに感染すると、年齢を問わず風邪などの症状に見舞われる。発熱、咳、咽頭痛、倦怠感などで、生後6カ月未満の乳児の場合や先天性心疾患、慢性肺疾患などを持つ小児の場合は重症化しやすいという。
「RSウイルス感染症は、ヘルパンギーナと同じく、効果のある治療薬がないので、対症療法となります。予防も手洗いとマスク着用です」(同)
新型コロナは5月8日に感染症法で2類から5類に引き下げられた。
「ヘルパンギーナやRSウイルス感染症は、コロナ対策が緩和されてから急増しています。コロナ対策の影響で、免疫力が落ちたことが原因の一つとみられます」(医療ジャーナリスト)
夏風邪に要注意だ。
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