コロナ禍でテレビ局が生き残りを賭け、真剣になって取り組んでいるのが4月の番組改編だ。中でも、全勢力を注ぎ込むのが月曜から金曜まで放送される朝昼の情報番組。まさに〝局の生命線〟といっても過言ではないという。
「局のカラーやコンセプト、主張を世間に認知させるのが情報番組だからです。派手なGP帯(ゴールデン・プライム帯、午後7時~午後11時)だけが番組ではありません。むしろ、この枠で数字が取れたら何とかやっていける。実は、テレビ局の屋台骨なんです」(民放キー局幹部)
局の1年を占うといってもいい4月改編期において、まず先鞭をつけたのが日本テレビだ。
同局の〝絶対エース〟、〝女子アナ女王〟と呼ばれる水卜麻美アナに2017年から担当していた『スッキリ』を卒業させ、新たに『ZIP!』の総合司会に抜擢した。前任の桝太一アナは日曜夕方に放送されている『真相報道 バンキシャ!』に異動となる。その結果、起きたのが玉突き人事。
「『スッキリ』から水卜アナが異動するのに伴い、サブ司会だった女性お笑いコンビ『ハリセンボン』の近藤春菜が降板する。併せて『Oha!4』の金曜キャスターを務めている岩田絵里奈アナが後任に収まった。『バンキシャ!』は桝アナの横滑りを受け、番組開始から18年半もキャスターを務めていたフリーの福澤朗が勇退することになった」(テレビ誌デスク)
水卜アナは24時間マラソンが“裏目”だった!?
なぜ、日本テレビはコロナ禍の厳しい状況下に、あえて大胆なサプライズ人事を断行したのか。
「理由は3つあります。1つは近藤春菜と福澤朗をリストラすること。局アナ起用を全面に出せば、芸能プロダクション側も黙るしかない。2人のリストラで年間1億2000万円もの人件費が浮くわけですから、これは大きい。もう1つは早朝6時台の『ZIP!』を強化させること。この時間帯で視聴率トップを取ることが目的なんです。いくらGP帯で視聴率を取っていても、ベルトである6時台の番組で負けていては意味がないんです」(日本テレビ関係者)
注目すべきが3つ目の理由だ。なんと、いまだにフリー転身を諦めていない水卜アナの囲い込みが最終目的なのだという。
「2019年の『24時間テレビ』でチャリティーマラソンを完走したことで、すっかり勘違いしてしまったようなんです。自分なら日本中から応援され、フリーでもやっていけると…。以前の水卜アナは人気があるのに、太っていたことがコンプレックスだった。自信が持てずにいたんです。日テレ的には自信を持たせるために、ランナーに抜擢したことが裏目に出たということ」(編成関係者)
実は、日テレにおいて『ZIP!』は編成上、『スッキリ』より格上に位置づけられている。
“ポストカトパン”の呼び声フジ・井上清華アナ
「その大事な番組を水卜アナに任せる。しかも、初のメインの帯番組です。受けた以上は結果を出さなければいけない。なんだかんだで4~5年なんてアッという間です。そうなれば、水卜アナもアラフォーになる。〝フリーは諦めろ〟という下心が日テレにはあるんですよ」(同)
果たして、局側の思惑通りに事が運ぶのか否かは視聴率次第だ。
さて、女子アナ女王の水卜アナを迎撃すべく、策略を張り巡らしているのが〝朝番組の覇者〟というべきフジテレビ。看板番組である『めざましテレビ』は2020年までの3年連続で視聴率同時間帯民放トップを達成している。
そして、同局が満を持して送り込むのが入社3年目の井上清華アナ。『ポスト・カトパン』との呼び声が高く、かつてテレビ界でいち時代を築いた『フジ・女子アナ帝国』復権を託されているそうだ。
「前任者の永島優美アナが『とくダネ!』の後継番組となる『めざまし8』に栄転する。井上アナの起用は1年先輩の久慈暁子アナを飛び越えた大抜擢です。彼女は青山学院大時代には『ミス青山コンテスト』のファイナリストに選ばれた美貌で、タレントとしても活躍。日テレの『今夜くらべてみました』や『NEWS ZERO』にも出演していた。日テレの内定を蹴って、フジを選択したことでも話題になったんです。〝フジ愛〟はピカイチですよ」(フジテレビ事情通)
日テレVSフジの狭間で苦戦必至の『あさチャン!』
驚くことに、学生時代に設立されたファンクラブがいまでもネット上に存在するのだから、根強い人気がある証拠だろう。
「スタイル抜群で推定Eカップ巨乳の持ち主です。女子アナにしておくのは本当にもったいないですよ」(芸能プロ関係者)
ほとばしる〝フジ愛〟もさることながら、フジテレビ上層部を安心させたのが、想定外と言ったら失礼か、彼女の身持ちの固さ。
「『ダウンタウンなう』の〝本音でハシゴ酒〟コーナーに出演した際、意外にも『なめられたら負け』が口癖であることを暴露したんです。祖母からの教えだそうです。さらに、放送ではカットされたが、ケンカが強いことやチャラい男性に興味がないこと、いまだに心底好きになった男性はいない、などと酔いに任せて話している。その結果、処女説が浮上しているんです」(前出のフジテレビ事情通)
4月の改編で〝日テレのエース〟&〝女子アナ女王〟である水卜アナと、〝フジテレビの新看板アナ〟の井上アナが参戦することにより、これまで以上に微妙な立場に追い込まれると囁かれているのが、最年長でもある『あさチャン!』(TBS系)の夏目三久。2014年から同番組のキャスターを務めているものの、肝心の番組視聴率は一向に振るわないからだ。
「視聴率的に見れば、わずか1年半で打ち切りになる落語家・立川志らくMCの『グッとラック!』とそう大差ない番組です。視聴率1%台という日も珍しくなく、低空飛行はお決まりのパターンなんです」(TBS関係者)
“後輩”水卜アナをかわいがっていた夏目三久
視聴率的に見れば、いつ打ち切られてもおかしくない状況が続いていたのだ。生き馬の目を抜くテレビ界で、夏目が生き残った理由はこれしかない。
「国民的人気ドラマ『半沢直樹』の影響ですよ。主演した堺雅人と夏目は同じ事務所の所属。夏目は銀行のイメージキャラクター役で全シリーズに出演している。まさに『半沢直樹』があったからこそ、夏目はリストラを免れたんです」(制作スタッフ)
ところが、夏目を守り続けて来た〝聖域〟である『半沢直樹』シリーズも公式に終了が発表された。
「常に、夏目のバックには『半沢直樹』の続編や映画化がチラついていたんです。しかし、正式にその目がなくなった以上、厳しい立場に追い込まれた。水卜麻美アナと井上清華アナの視聴率争いが過激化することは確実です。そうなれば、『あさチャン!』はこれまで以上の惨敗を喫する可能性が高い。最悪の場合、視聴率1%台すら維持できなくなるかもしれません。まさに1人負けですよ。そうなれば、夏目も安泰ではいられなくなる。そればかりかタレント生命にも影響が出てきますね」(前出の芸能プロ関係者)
知る人ぞ知る話だが、元日本テレビの局アナだった夏目は「3年後輩でまだ新人だった水卜アナを目に掛け、妹のようにかわいがっていた」(日テレ消息筋)そうだ。
弱肉強食の世界とはいえ、水卜アナが夏目に引導を渡す…。新旧朝の情報番組バトルは、非情な結末をもたらしそうだ。
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