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維新vs公明の仁義なき戦い勃発か!? 時期衆院選めぐり全面対決へ…

小池百合子
小池百合子 (C)週刊実話Web 

日本維新の会(維新)が次期衆院選に向け、公明党との全面対決に舵を切った。選挙結果によっては、政界再編にもつながりかねない一大事とあって、政界雀の関心の的になっている。

「公明党には衆院小選挙区選出の現職議員が9人いる。大阪の4選挙区と兵庫の2選挙区の計6選挙区、そして、北海道、東京、広島で1選挙区ずつ。6人いる大阪、兵庫の選挙区は公明党にとって『常勝関西』のシンボルで、公明党の重鎮らが伝統的に当選してきた経緯がある。

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しかし、大阪、兵庫の関西圏でいま最も勢いのあるのが維新。その維新は6月25日、公明党の現職議員のいる関西6選挙区に公認候補を立てる方針を決定した。公明党に対する宣戦布告ですよ」(大阪府議会議員)

これまで維新は公明党に配慮し、関西6選挙区では候補者擁立を見送ってきた。というのも、維新の〝一丁目一番地〟の看板政策である大阪都構想の実現を目指していたからだ。

「4月の統一地方選までは大阪市議会で維新は83議席中40議席と、過半数に達していなかった。大阪都構想の是非を問う住民投票を大阪市で実施するには、公明党の協力が不可欠だった。

だが、統一地方選で潮目が変わった。維新は大阪市議会で81議席(定員減)中、46議席を獲得し、初の過半数超え。また、2021年衆院選でも維新は大阪の19小選挙区のうち、公明党に譲った4小選挙区を除く15小選挙区で完勝した。

『もう公明党に遠慮はいらない。候補者を擁立すべき』の主戦論が強くなったのです」(在阪政治記者)

菅義偉前首相に泣きついた公明党

維新の馬場伸幸代表は次期衆院選で全国289ある小選挙区すべてに候補者を擁立する構えを見せている。

受けて立つ側の公明党の山口那津男代表は6月27日、記者団に対し「大阪にしても兵庫にしても、しっかり次の選挙で勝てるよう準備を重ねていきたい」と語り、維新との対決姿勢をあらわにした。

実は、維新と公明党の表立った対立は今回が初めてではない。2014年にも勃発しているのだ。

「大阪都構想に公明党がそれまでの賛成の立場から反対へと手のひら返しした。公明党の裏切りに当時の松井一郎大阪府知事と橋下徹大阪市長が大激怒。

次の衆院選(2015年)では、松井府知事が公明党の北側一雄副代表選出の大阪16区、橋下市長が佐藤茂樹府本部代表(当時)選出の大阪3区から出馬すると宣言し、抜き差しならない事態になったのです」(前出・在阪政治記者)

慌てふためいた公明党と支持母体の創価学会が泣きついた先が、当時の官房長官、菅義偉前首相だった。菅氏は創価学会と太いパイプを持ち、かつ維新とも親密な関係を築いていたからに他ならない。

「菅氏の仲裁で、公明党は引き続き大阪都構想で維新に協力するとし、松井、橋下両氏は衆院選出馬の矛先を収めた。今回の公明党現職議員のいる選挙区への殴り込みも交換条件を引き出す戦略かもしれません」(全国紙政治担当デスク)

次期衆院選をめぐっては、小選挙区の10増10減に伴い東京では新28区に公明党が候補者擁立に動いた。自民党は容認できないと反発し、一時は連立解消も取り沙汰された。

結局、公明党は新28区の候補者擁立を断念し、東京では自民党との選挙協力関係を白紙に戻した。

小池百合子都知事が候補に!?

自民党は21年衆院選で東京の24小選挙区で候補者を擁立し、21人が公明党の推薦を受け14人が当選。公明党の推薦がない次期衆院選では、自民党から落選者続出も危惧されている。

「公明党の支持母体である学会票は1小選挙区で2~3万票とされ、都内全体では約70万票にも及ぶ。首都大躍進を狙う維新が、この学会票をターゲットにした密約が進んでいるという情報まである」(同)

現在、東京で維新の衆院議員は比例当選した2人。

「維新は大阪、関西でどれだけ勝っても首都東京で6~8人の衆院議員が当選しなければ、目標とする立憲民主党を凌ぐ野党第1党、ゆくゆくは2大政党の一翼を担う政党には成長できない。

東京で6~8人の内訳は小選挙区で2~3人、比例で4~5人。東京での自公分裂の間隙を突き、『東京で公明党に支援してもらえるなら大阪・兵庫の公明党衆院議員がいる選挙区での擁立を取り止める』説も出ている」(同)

そしてもう一つ、〝ウルトラC〟とも言える究極の手法が浮上している。

「小池百合子都知事を維新候補として担ぐ案だ。公明党とも良好な関係にある小池都知事が維新候補で衆院選に打って出れば、公明党も東京で維新を応援しやすい」(維新関係者)

維新幹部の話。

「小池氏の件は御伽話としても、自民党とケンカ状態にある東京での学会票を大阪・兵庫でバーターするという案は一部維新議員から浮上していたのは事実。

しかし、大阪都構想のような大義もなく、公明党と裏取引をしたと取られれば、党のイメージ低下は計り知れない。『ここは正々堂々戦い政権を担える党にすべき』という声が強まりバーター説は消えたと聞いている」

維新VS公明。仁義はあるのかないのか。

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