関西の〝空の玄関口〟関西国際空港が、ついに開港以来の利用者最低記録を更新した。
LCC(格安航空会社)の好調とインバウンド景気で最高記録を更新したのは、つい一昨年のことだったが、新型コロナの感染拡大と各国のロックアウト、そして緊急事態宣言により、利用者は瞬く間に急降下。2020年の総旅客数は前年比79%減、655万2424人まで落ち込んだ。
現状を確認すべく関空へ行ってみたが、とにかく飛行機の数が少ない。この日、大手キャリアはほぼ運休。LCCはピーチが最低限度の本数で飛んでいた。国際線のフライトは、ホノルル、シンガポールのわずか2便だけだった。
ターミナルは国内線も国際線も規模縮小で、ほぼ無人状態。航空会社の職員よりも、ガードマンのほうがよく目立つ。フロアに人がいないため、コロナ対策の換気でやけに冷え込む。華やかさを盛り上げるショッピング街も、オープンしているのは20%ぐらいで、多くの店に閉店、休業のビラが貼られ、開いている店も客はまばらだ。
影響は空港島対岸の街にまで…
新型コロナの影響が長期化し、航空機の利用が戻らない中での二度目の緊急事態宣言。こうなると、早々の利用回復は絶望的に思えてくる。先の見えない閉塞感はいかんともしがたいが、LCCの関係者はこう語ってくれた。
「航空会社にとっては壊滅的な状況ですが、その一方で新路線の開設や新しいサービスの提供と、明るいニュースも発信していかなければなりません」
まるでゴーストタウンの関空だが、その影響は空港島の対岸、りんくうタウン、泉佐野、泉南にまで及んでいる。
「泉佐野が右肩上がりのときは、空港勤務のCAや女性職員が多く移り住んで、おしゃれな街になってたんですよ。しかし、今はCAたちも大阪市内へ動き、ここは昔と同じ、田舎の漁港に逆戻りです。寂しいですね」(市職員)
海上空港ゆえ物理的な沈みはつきものだが、経済的な沈みも深刻になってきた。関空の浮上はいつなのか?
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