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JRA重賞『東京新聞杯』(GⅢ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

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先週の根岸Sの直線、あと数十メートルで、ボクの大本線アルクトスとタイムフライヤーが内と中から馬群を抜け出し、「よっしゃ~、デキたっ!」とテレビの前で叫んだら、ゴール直前、外から2頭が差して来て、アッっと言う間に入れ替わり、九分九厘つかみかけた好配当が一瞬で霧散…レッドルゼルは一応的中だからともかく、田中カッチーのワンダーリーデルは買ってねえよぉ~と半べそをかいた。半世紀近く競馬やっているんだから、ゴール前様相一変、なんて何百回、何千回も見てきたことなのに、久々に悔しくて、悔しくて。その思いを今週にぶつける!

頭数も手頃な西のきさらぎ賞のほうが当て易そうにも映る。腰痛のせいなのか、精彩を欠く武豊のヨーホーレイクが1番人気濃厚だが、東海Sのインティと同じく惨敗もあり得る。何せ、今年に入って西の重賞では1番人気は一度も馬券対象になっていない惨状なのだから! そのうち武豊騎乗で1番人気の馬がヘグったのが、何と3回もあるではないか。そのいやな流れを断ち切れるのか? ボクは少なくとも馬連は買わない。買っても3連複のヒモ程度だ。

と軽く予想をしたものの、やはり東の東京新聞杯をチョイス。東京新聞杯といえばもう四半世紀も前、降雪のため急遽ダートに変更になった1995年のレースが忘れられない。雪だからといって直前に芝→ダートという、現在なら考えられない理不尽なレースとなったが、的中したから結果オーライ。障害好きとしては、障害中心の田中剛騎手が、平地重賞を5番人気ゴールデンアイで勝ったことも嬉しかった。2着に2番人気エアリアルで馬連3500円はおいしかったなあ。同年に公開された007の新作が『ゴールデンアイ』だったので、立派な〝映画馬券〟でもあった。

しつこく“紅一点”推し⑪シャドウディーヴァ!

さて、今回の〝映画馬券〟は、ズバリの馬はプロディガルサンしかいない。〝放蕩息子〟という意味で、『ユン・ピョウINドラ息子カンフー』(81年)があり、原題がブロディガルサンであった。とはいえマイナーすぎるか(苦笑)。繰り上がり出走の運はあるが、さすがにここでは家賃が高そう。ならば、多少無理くりでも、買いたい馬として⑪シャドウディーヴァを挙げたい。牝馬は今回はこの1頭のみ。〝牝馬の鉄〟としてはしつこく〝紅一点〟推し。昨年2着だし、京都金杯を制した岩田康騎乗だし。この名はダリオ・アルジェント監督のホラー『シャドー』(82年)と同年のジャン・ジャック・ベネックス監督のラブストーリー『ディーバ』(82年)の〝合わせ技〟か(映画はシャドウじゃなくて、シャドーだし、ディーヴァではなくディーバだけどね)。どちらも鬼才と呼ばれる監督の異色作だ。

対抗は⑬ヴァンドギャルトをピックアップし「〝ヴ〟コンビ(?)」でいこう。ディープインパクト産駒だし、鞍上は今年の重賞騎乗機会で一度も掲示板を外しておらず、すでに2勝の絶好調の福永だもの。頼もしい。当初はヴェロックスも出走する予定だったが、脚部不安で回避。ぜっかく〝ヴ〟トリオ形成だったのに…。〝ヴ〟の付く馬と言えば、〝大魔神〟佐々木主浩氏の所有馬が有名。前記の馬は別馬主だが、ぜひ〝V〟を目指してほしい。加えて、やはり〝ルメール無双〟は外せないので⑫トリプルエースを入れての3頭ボックス。あと3頭ヒモを選ぼう。6頭ボックスじゃあ買い目が多すぎるし。

そのヒモだが、サトノの3頭は東京コース不得手っぽいし、逆に東京巧者のダイワキャグニーはさすがに全盛期は過ぎたような気がする。珍名でおなじみの小田切オーナーの⑩カラテは穴人気になりそうだが、勢いを買って。さらに⑤トライン、③ロードマイウェイの横山親子の馬を少々。いずれにしても、前記の3頭を馬連厚目、3連複に加えて、ヒモ3頭に各々から流す。

当〝ざっくり予想〟今年4戦1勝。早く〝両目〟が開きたい。そして、きさらぎ賞をチョイスしてたら当たってたじゃん、なんてことになりませんように…。

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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