直撃インタビュー・元MNB48西村愛華~6年ぶりに芸能活動を再開したワケは~
NMB48の元メンバーで、大学進学を機にグループを卒業した西村愛華が昨年1月、社会人を経て6年ぶりに芸能活動を再開した。女優やモデルとして注目される彼女に、NMB時代の思い出や現在について語ってもらった!
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――まずは芸能活動への復帰おめでとうございます。6年の間にいろいろありましたか?
西村 ありましたね。大学生活に留学、アパレルでの社会人経験と、ものすごく勉強になったので、これから芸能活動でも生かしていきたいと思います。
――改めてですが、NMB時代のことをお聞かせください。デビューは中学生のときでしたよね。
西村 はい。京都出身なんですが、もともと5歳からキッズモデルや子役で活動していたんです。テレビの再現映像に出たりとか。目立つのが大好きな子供で、写真を撮られるのも好きでした。特別、アイドル志望ではありませんでしたが、憧れの一つという感じで。もちろん、当時AKB48は大ブームで私もファンでしたから、大阪にNMB48ができた後、応募したことがデビューのきっかけです。
――中学から高校時代にNMBで活動するというのは、大変だったと思います。
西村 親との約束もあって、入学した学校にしっかり出席しなければならなかったんです。その両立が大変でしたね。実家通いでしたが、当時のNMBは東京遠征もあったので、ライブの翌朝は4時起きで新幹線に乗って、始業に間に合うように京都に戻ることもありました。伝説の大阪城ホール単独公演のときにも休まず学校に行っていたので、終業と同時に猛ダッシュで会場に向かって、リハーサルなしで本番に挑みました。
――それはすごい。遊ぶ暇が全然なかったのでは?
西村 本当に全然ありませんでした。アイドルって陰で遊んでるってイメージを持つ人も多いようですが、テストがあるときは楽屋でもホテルの部屋でも、ずっと勉強している状態でした。
セキュリティーが厳しかった遠征時
――誘惑などはありませんでしたか? ジャニーズとの合コンみたいな話をよく聞きますが…。西村 遊んでいるといわれる先輩の話は耳に入ってきましたが、私は年齢もありましたし、無口なキャラだったので、合コン要員とはみなされなかったようです。本当に学業とNMBの活動で一杯一杯だったので、当時は遊びたいという願望もなかったですね。ただ、今になってみると、ちょっと誘われてみたかったなんて気持ちもあります(笑)。
――メンバーが大勢いるだけに、やっぱりいじめや隠れたトラブルなどはありましたか?
西村 世の中に出ていない話も、いろいろありました。ネットや文春さん(週刊文春)を騒がせたのは氷山の一角です。ただ、チクリもあったからか事務所にバレることも多くて、トラブルを起こす子は、ひっそりと干される運命にありましたね。選抜から外されたり、男性関係はかなり把握されている感じでした。ファンからの支持以外にも、そのあたりは事務所がしっかり見ていた感じです。
――遠征の際に、隠れて遊びに行ったりする子なんかもいましたか?
西村 いや、遠征時のホテルはセキュリティーがすごく厳しくて、その階を丸ごと借りていたのですが、エレベーターの前に机を置いてマネジャーさんが夜通しチェックしていました。メンバーは勝手にエレベーターで降りられなくて、『親とロビーで会う』とか『コンビニに生理用品を買いに行く』とか逐一、用紙に書かなければならなかったんです。遠征時の夜遊びは難しかったですね。
――現役時代の思い出に残るエピソードは?
西村 チームMのオリジナル公演で山本彩さんが出られないときに、アンダーメンバーとして誰かがギターを担当する必要があったんですが、なぜか触ったこともないのに、私にその役目が回ってきて。それもライブ本番の1週間前。さすがに拙い演奏しかできませんでしたが、お客さんたちは事情を察してくれたようで、温かい目で見てもらえて助かりました。
――テレビ出演などの思い出はありますか?
――それは、ディレクター泣かせですね(笑)。
西村 あと、NMBは楽屋のケータリングが、たこ焼きとカップラーメンでした。当たり前のことだと思っていましたが、AKBとか他のグループと一緒のときに、あれはNMB限定なんだって知りました。さすがに太るからって、自分で持ってきていた子もいましたね。
――NMB時代のお給料はどうだったんでしょうか?
西村 当時は未成年だったこともあって母親が全部管理していたので、正確な額について実は知らないんです。ただ、大学の費用と、短期でしたがオーストラリアに語学留学した際の費用は、NMBで稼いだ貯金から出してくれました。
――結構もらえていたということでしょうか?
西村 3年やっていたので、総額でそれくらいは捻出できたという話でしょうか。ただ、選抜になったら給料が上がったと親に言われたことはあります。でも、一人暮らしだったら厳しかったと思いますよ。握手会とかも別途でお給料が出るわけでもなかったのに、出演時の衣装は自前でしたから。
――握手会は、女の子にとってすごく負担だったなんて話も聞きますが、どうでしたか?
西村 当時を知っている方なら分かるかもしれませんが、私、今でこそこうやって話をしていますけど、アイドルの頃は全然喋れなかったんです。それでネットに〝いじめられ疑惑〟が上がったくらいステージでも端にいて。だから、握手会でも他のメンバーみたいにアドリブでお喋りできなくて、それがファンの人には申し訳なかったですね。
――選抜メンバーになったのが2014年ですが、AKBで傷害事件が起きた年ですよね。NMBでも何かあったりしませんでしたか?
西村 事件後にチェックが厳しくなったのは覚えています。でも、荷物検査をすり抜けてネックレスを手渡してきたファンの人に、「結婚してください」と求婚されたことがあります。その人はすぐ出禁にされていましたが…。あと、紙にLINEのIDを書いてくる人もいましたが、やはり出禁になっていました。
――NMBを辞めるきっかけは?
西村 大学に受かったとき、進学とグループに居続けるかの2択を迫られたことがきっかけです。選抜に選ばれて『紅白』も出ましたし、自分の中でやりきった感があったのと、アイドルよりも女優のお仕事をしたいという当初の思いもあったので、決断しました。
――NMB出身の子も過去にいますが、卒業後、大人のビデオに出るような方も結構います。そういったお誘いはなかったですか?
西村 現役時代は未成年で、その後は昨年まで芸能人ではなかったので、まったくありませんでしたね。今、誘われても大人のビデオには出ませんのでご安心ください(笑)。
――アイドルとしてトップグループの中で活動してから、一般人に戻れるものなのでしょうか?
――大学を卒業して社会人になり、その後、また芸能界に戻ってきたのは、どういう心境の変化があったのでしょうか?
西村 アパレルブランドの『サマンサタバサ』で働いていたのですが、とても勉強になる仕事でした。4年半の間、副店長にもなって、芸能の経歴を生かして店舗モデルの活動をさせてもらったり、いろいろ任されることもありました。ただ、しばらくして、自分は表に出て人前で演じたりするのが、むしろ自然体でいられると思ったんです。だから芸能をもう一度やりたくて、昨年に辞めて復帰することにしました。
――ところで、同期のメンバーとの交流はまだあるのでしょうか?
西村 私たち4期生は16人いましたが、いまだに現役なのは2人だけです。みんなで『4期会』というグループLINEを作って交流していますよ。他の代は分からないですが、うちの代は仲良しですね。
――メンバーは卒業後も芸能活動しているのですか?
西村 それが半数以上は、芸能どころかSNSもやらなくなって、人前に出ることをやめてしまっていますね。当時のAKBグループって、やっぱりアイドルの頂点だったので、そこでみんな燃え尽きてしまうというか、まったく違う道を歩む子が多いようです。
――現在、事務所に所属していないと聞きました。
西村 はい、フリーで活動しています。まだ模索中ですが、個人事務所を立ててやっていくつもりです。ただ、業務提携としてお手伝いいただいているところはあります。いずれは他の子のプロデュースなどもしていきたいですね。
――今後の活動予定を教えてください。
西村 今年の3月に初めてミュージカルに出演したんですが、面白かったので舞台での活動はどんどんやっていきたいと思います。また、来年公開の映画に出演することも決定しました。機会があったらグラビアにも挑戦してみたいですね。
――おお、それはいいですね。AKBグループ出身でグラビアをやる子は多いですから。
西村 でも、一番はやっぱり女優ですね。実はNMBの出身者で、いわゆる女優として活躍している方っていないんですよ。だから、本格的な映画に出演して、日本アカデミー賞や海外の賞で、助演女優賞を取ることが夢です。
――最後に読者へのメッセージをお願いします。
西村 当時のことを知っている人も知らない人も、この6年の間にいろいろ勉強して変わったので、改めて活動を知ったうえで、応援してほしいと思います。 (文・構成/渡辺則明 撮影/安井かなえ 取材協力/いちご姫)
西村愛華(にしむら・あいか)●1998年1月12日生まれ(25歳)。京都府出身。2012年12月、NMB48の4期生としてデビューし、翌年、正規メンバーとしてチームNに所属。14年の10thシングルで初の選抜メンバーに選出される。16年に学業を理由にグループを卒業し、芸能界を引退。アパレル業界に就職するも、昨年1月に芸能界復帰を果たし、舞台やモデルの仕事を中心に活動を再開。現在は『ミス・ワールドジャパン2023京都大会』のアンバサダーを務める。
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