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トヨタがテスラを猛追!「全固体電池」実用化でEV市場を変える!?

Jevanto Productions
(画像)Jevanto Productions/Shutterstock

現在、自動車業界の最も大きなトレンドはEV(電気自動車)だ。中でも充電したバッテリーだけで走るBEV(バッテリーEV)の販売台数は近年右肩上がりで、中国メーカー『BYD』がアメリカの『テスラ』の販売台数を上回るなど市場が過熱している。

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ところが日本の自動車メーカーは円安の追い風もあって23年3月期の決算は総じて好調だったものの、BEVの世界販売ランキングではいずれも低位。特にトヨタは「EVに出遅れた」とのイメージが強まっていた。

だが、どうやらそれは取り越し苦労だったようだ。トヨタは株主総会前日の6月13日、「2027〜28年を目標に、EV向け全固体電池を実用化する」と発表。次世代EV市場をけん引していく〝新たな戦略〟を打ち出したからだ。

耐久性の課題もクリア

自動車評論家がこの構想のすごさを語る。

「全固体電池は、現在のEVに搭載されているリチウムイオン電池と比べ性能が段違い。特にトヨタが目指しているのは、航続距離がEVの2倍にあたる1000キロ、10分以下でフル充電できるという代物です。以前は耐久性に課題を抱えていたが、それもクリアしたようでEV市場を変え得る技術と注目を浴びている。『先を行くEVメーカーに挑戦状をたたきつけた』などとも評判なのです」

ちなみに、トヨタがこのカードを切った衝撃はすさまじく、発表当日の同社の株価はうなぎ上り。わずか1日で1兆7000億円も高騰し時価総額は35兆円に達した。

「またこれに呼応して、経済産業省がトヨタ自動車のEV向け電池の増産に対し、約1200億円の補助金を支給することを発表。同補助金にはリチウムイオン電池だけでなく、全固体電池も含まれているのです」(経済評論家)

まさしく、〝復活ののろし〟と言えるかも。

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