『転落』幻冬舎
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『転落』著者:TKO 浜口倫太郎~話題の1冊☆著者インタビュー

『転落』幻冬舎/1760円
TKO 木本武宏(きもと・たけひろ)と木下隆行(きのした・たかゆき)によるお笑いコンビ。1990年結成。1994年、『ABCお笑い新人グランプリ』新人賞を受賞。バラエティー以外にもドラマ、映画などに多数出演するも、両者ともに不祥事を起こし、松竹芸能を退社。現在は再びコンビとして、フリーで活動中。浜口倫太郎(はまぐち・りんたろう) 小説家、放送作家、漫画原作者として活躍。
――今年2月から活動を再開させました。今どのようなお気持ちですか?

木本 まずコンビで仕事ができるという喜びと安堵がありましたが、実際どこに向かって行くのかという不安もあるのが正直なところです。今はいろんなライブに声をかけていただいたり、コンビでYouTubeチャンネルを立ち上げてコントやトークを披露しています。視聴者の方の反応やエールがすごくて、とてもやりがいを感じています。


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――2019年に楽屋で後輩芸人にペットボトルを投げつけるという事件を起こし、大炎上しましたね。


木下 僕の心の弱さで起こしてしまった不祥事でしたが、僕自身の芸人という立ち位置が無くなったことはとても怖かったです。まさか自分が…と。でも、そんな中でも、手を差し伸べてくれた方々がいて、とても助けられました。これからは、自分もそちら側に回りたいと思っています。

引きこもり時期に助けてくれたジュニアさん

――さらにその3年後、木本さんに7億円投資トラブルが発覚しました。投資にハマったきっかけはなんだったのですか?

木本 そもそも最初はまったく知識もなかったのですが、仕事で暗号通貨を知りハマってしまいました。しかし素人感覚でトレードしていたため、儲かるどころか大損ばかり。悔しくて、投資について調べたりいろんな人を紹介してもらったりしているうちに、さらにドロ沼にハマってしまったんです。今考えればプロの投資家から学んでおけばよかったのですが、〝億り人〟といわれるギャンブラーのような人に自分から擦り寄ってしまった。あのときは、欲をかいて、おいしい話を求めていたのも事実です。


――転落後、千原ジュニアさんが引き立ててくれたそうですね。


木本 自宅に引きこもっている時期にジュニアさんから連絡をもらい、「飯でも行こう」と誘っていただきました。久しぶりの外食で、おいしいイタリアンを食べさせてもらいながら「やっぱり外に出んとあかんで。これからもちょこちょこ飯誘うな」と言っていただきました。騒動のことを聞かれるわけでもなく、夜中までただただ楽しい会話を交わしました。その日を境に、人と会うことすら怖くなっていた気持ちがどんどんと薄まっていきました。それからは遠慮せず甘えてしまい、年上なのに今ではすっかり弟面しています(笑)。


――今後の活動予定を教えて下さい。


TKO 8月から1年かけて全国47都道府県コントツアーをやることになりました。全国の方々にネタを見てほしいので、ぜひお越し下さい! (聞き手/程原ケン)