交流戦からリーグ再開を目前に控えた6月19日、中日ドラゴンズと北海道日本ハムファイターズの間で2対2の大型トレードが成立した。
今回トレードされたのは、中日・郡司裕也捕手、山本拓実投手と、日ハム・宇佐見真吾捕手、斎藤綱記投手の各2名だ。
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「中日は正捕手・木下拓哉が、14日のロッテ戦で右手の甲にボールを当て、右大菱形骨骨折で登録を抹消。これを受け、代わりを務める扇の要として、即戦力となる宇佐美を緊急獲得した形です。さらに、手薄だった左の中継ぎとして斎藤も獲得し、ウィークポイントを一挙両得で補強するトレードになったと言えるでしょう」(スポーツ紙記者)
中日・立浪和義監督も、20日の試合前に囲み取材に応じ、「木下の離脱でチームに経験のある捕手が欲しいということ。うちは左投手が少ないということで至りました」など、トレードの狙いを説明している。
しかし、このトレードに、ファンからは失望の声も多く見受けられる。主な不満ポイントは、〝育成放棄〟ともとれるあまりに目先にとらわれた対応だ。
将来性十分の若手の放出にファン失望
「木下に代わる二番手捕手の重要性は今に始まったことではなく、ここ数年の課題でした。にもかかわらず、チームは昨季82試合の出場ながら8本塁打を放った控え捕手・マルティネスを自由契約にした上、将来の正捕手候補だった郡司までトレードのタマにしてしまった。中長期的な展望を持っていれば、今回のような緊急トレードは必要なかったわけで、あまりに行き当たりばったりではないかとファンが怒っているのです」(スポーツライター)
現実的にも、今季は郡司を育成するのにまたとないチャンスだった。
「中日はヤクルトと最下位争いを繰り広げており、CS進出のAクラス入りも絶望的。事実上、残りは消化試合ですから、ならば郡司を使い続けて育成する方針に舵を切った方が、将来のためになる〝実のある最下位争い〟というものです。事実、アマチュア時代の郡司は六大学リーグで三冠王を獲得し、昨年は二軍で打率3割超、チームトップの6本塁打を放つなど、将来性は十分だった。熾烈なCS争いをしているならまだしも、望み薄で即戦力の補強を優先した近視眼的な発想で、ファンの失望も当然でしょう」(同・ライター)
木下の離脱自体は不測の事態だが、チームが〝有事〟の備えを怠っていたのも否めない。今後も数年は中日暗黒の時代が続きそうだ。
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