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【最終回】元ジャニーズJr.平本淳也氏が「性加害問題」の真実を語る~企業としてのジャニーズ事務所

平本淳也
平本淳也 (C)週刊実話Web

5月14日、ジャニー喜多川氏をめぐる性加害問題について、ジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子社長が謝罪動画を公開した。

13歳のときにジャニーズ事務所に入り、18歳で退所するまで「合宿所」と呼ばれるマンションに出入りしていた平本淳也氏は、「謝罪動画の中で性加害について『知りませんでした』と言ったのは失敗だったよね。知らないわけがないんだから」と話す。ジャニーズ告発の第一人者である平本氏は、今後の展開についてどのように考えているのか。


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「いくら批判されても、ジャニーズ事務所が潰れるということはあり得ません。あの会社は賢いから、ASKAさんが光GENJIや少年隊に提供した楽曲も、槇原敬之さんがSMAPに提供した『世界に一つだけの花』の権利も、すべて自社で管理している。だから何も仕事をしなくたって、カラオケ印税などが毎日たっぷり入ってきます。すごい会社ですよ」

さらに、多くのコンサートによる収益もある。

「ジャニーズのコンサートのチケットって、ファンクラブ会員しか買えなくて必ず抽選になる。例えば5大ドームツアーなら、会員は1人で何枚も申し込むので、応募は500万口とかになる。このときにチケット代が5000円だとすると、申し込みの時点では事務手数料の700円を加えた5700円を払う仕組みなんですよ。

当然、抽選に外れた人には返金しますが、返すのはチケット代だけで700円は事務手数料としてキープする。つまり700円×500万口のお金が手元に残るわけです。そのやり方を半世紀にわたって続けてきたんです」

現場もタレントも分からないジュリー社長

ジャニーズのクリエイティブな面を一手に担ってきたのがジャニー氏ならば、ビジネスの天才だったのが姉のメリー喜多川氏。会社経営においては、メリー氏の娘であるジュリー社長の功績も大きいという。

「有り余る資産をうまく運用したのはジュリー社長の手腕です。ビルなどの不動産をキャッシュで買って、それがみんな利回りも高い。あれで収益を安定的なものにしたところはある。ただし、ジュリー社長はエンターテインメントに興味がないから、現場のことを知らないんですね。逆にジャニーさんは常に現場にいる。レッスンも一緒だし、どこに行くのも一緒。風呂も一緒だし、寝るときも一緒。そうすると当然、タレントのことがよく分かってくる。だから、うまくコミュニケーションを取りながら、仕切ることができたんです。

ジャニーさんが亡くなって、現場をどうするかということで副社長になったのが滝沢(秀明)君だったけど、彼が何か自分のやりたい企画を提案しても、ジュリー社長は分からないからOKしてくれない。そういうことが続いて、このまま居てもしょうがないみたいな感じで辞めたわけです。このところ退所するタレントが多いのは、ジュリー社長との信頼関係が築けていないからですよ。やっぱりジャニーさんがいなければ、それはジャニーズ事務所ではない」

謝罪動画では、辞職も考えたと話したジュリー社長。

「ジュリー社長は会社を引き継ぐときから、面倒くさいタレントなんて1人もいらないみたいな感じでした。でもジャニーさんもメリーさんもいなくなって、そこからまたどんどん会社が大きくなっていったから、辞めるに辞められないってところじゃないかな。もし辞めるとなっても、関連会社がいくつもあって、そこで働いている社員もたくさんいるわけだから、これらを処理するのは1年や2年でできることじゃない。会社を畳むとなれば5年、10年はかかるし、だから嫌でも働かなきゃいけない」

騒動を収めるキーパーソン

ただし、ジャニーズ事務所が消滅することは、平本氏の望むところではないとも言う。

「ジャニーズ事務所は、今や日本でディズニーランドに次ぐエンターテインメント産業だからね。それが消滅するのはもったいない。それにジュリー社長が辞任するのは、僕からすれば一番面白くない。責任の取り方の一つとして、辞任する形になれば対外的にけじめがつくんだろうけど、僕がこれまで好き勝手に言ってこられたのは、ジャニーさんやメリーさん、ジュリー社長のことをよく知っているからですよ。それがどこかの知らないおじさんみたいな人が新社長になったりしたら、僕は何も言えなくなっちゃうからね」

今後のジャニーズ事務所のキーパーソンは、白波瀬傑副社長だと平本氏は断言する。

「今回の件をうまく着地させることができるとすれば、白波瀬さんしかいないでしょう。長く広報部長を務め、ジャニーさん、メリーさんの腹心としてずっと仕えてきた事務所における重鎮中の重鎮ですよ。白波瀬さんはマスコミ対応とかを全部やってきて、北公次さんのときも、僕が書いた告発本のときも、そして週刊文春との裁判にしても、常に最前線で対応してきたから何もかも分かっている。ジュリー社長のことも子供の頃から知っていて、一度、白波瀬さんは退社したんだけど、ジュリー社長が事務所を継ぐことになって戻ってきた。ジュリー社長が唯一、信用できる人間なんです。

この大きな問題を解決して収束させるために必要なキーパーソンは、僕か白波瀬さんですね。すべてに関連して仕掛けてきた僕を取り込むか、業界が恐れる白波瀬さんの剛腕が物を言うときです」

5月26日には「心のケア相談窓口の開設」「外部専門家による再発防止特別チームの設置」「社外取締役の招聘」などの対応策を発表したジャニーズ事務所だが、まだ騒動は収まりそうもない。果たしてどのような決着となるのだろうか。

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