
巨人が沖縄県内でキャンプを張る他8球団も利用できる「PCR検査センター」を那覇市内に開設し、さまざまな憶測を呼んでいる。コミッショナー主導でNPBがすべき取り組みを巨人があえて巨費を投じたのには、深謀遠慮が――。
キャンプが行われている沖縄から飛び込んで来た情報によれば、NPBは昨年来、新型コロナウイルスの感染拡大による開幕延期に備え、緊急避難策として国内にワクチンが浸透するまでの期間限定で、県内に12球団を集めて公式戦を開催する準備を進めてきたという。沖縄では春季キャンプで140億円ほどの経済効果があると見込まれており、観光飲食関係者はこの計画を歓迎しているものの、問題は県内でコロナの対応にあたる医療機関、医療従事者の負担。ここがネックになっていた。
「その問題の解決策が、今回設置された読売ジャイアンツ・スポーツ健康検査センターなのです。夏の東京オリンピック開催を前に、プロ野球オープン戦中止と開幕延期は何としても避けたいという東京五輪大会組織委員会・森喜朗会長の願いと巨人の思惑が合致し、読売が絡むかたちとなったのです」(沖縄の地元放送局記者)
モデルとするのが、昨年、コロナの感染拡大で開幕が延期になる中、メジャーリーグが立案した「2拠点集中開催案」だ。米国内のキャンプ地であるフロリダとアリゾナ州に全30球団を集め、リーグの枠を取り払って無観客で公式戦を行う計画だ。最終的に選手会などの同意を得られずお蔵入りとなったが、あらゆる準備は整えていた。そのリメーク版である。
「プロ野球は球団数がメジャーの半分以下。県内のキャンプ地の球場を使えば両リーグの試合開催も関係者の宿泊も十分可能だ。日程を組み替え、交流戦を先に持ってくる案も検討されており、実はそこにも巨人がPCR検査センターを開設した狙いが秘められている」(スポーツ紙デスク)
費用を負担する巨人は見返りを計算済み!?
2月1日にキャンプインしたばかりのプロ野球全球団や、同時期にキャンプを張るJリーグ球団が沖縄県内で安全にトレーニングするため、4月30日までの期間限定で設置されたPCR検査センター。選手やスタッフばかりでなく、報道関係者、チームを受け入れるホテル、交通、飲食関係者も対象にしている。
沖縄でキャンプを行っているのは、巨人のほかに阪神、中日、DeNA、広島、ヤクルト、ロッテ、楽天、日本ハムの計9球団。検査はそれぞれの球団で検体を自己採取してセンターに集め、選手、スタッフ分に限り午後4時までに検体がセンターに届けば、当日中に結果を通知するという。1日500件の検査が可能で、各球団は1クールにつき1回程度のPCR検査を実施する予定だ。
この新しいコロナ対策が成功すれば、仮に東京、大阪、名古屋で感染が拡大しても、宮崎県でキャンプを実施しているソフトバンク、オリックス、西武を沖縄に集結させれば、オープン戦や公式戦を開催する計算が立つ。そこに、深謀遠慮の一端が見て取れる。
「PCR検査では球団やメディアは1検体につき3000円、関連産業は2500円徴収するが、新たなPCR検査センターの開設には巨額の費用がかかる。沖縄県内の医療機関や医療従事者に負担をかけないため、運営は傘下に医療法人社団を持つ木下グループ(本社・東京都新宿区)に委託したが、費用は巨人が負担するわけで、当然、それなりの見返りは計算済み。表向き、〝スポーツツーリズムによる観光振興を掲げる沖縄県に恩返し〟を開設理由に挙げているが、本音は巨人が提案しているセの〝DH制採用促進〟にあると見ている」(前出・デスク)
巨人以外のセ5球団はすべて沖縄でキャンプを行っており、恩恵に預かる以上、次にDH制採用を提案されたら無下には断れない。まして、今季もコロナの影響で公式戦の試合数削減となれば、韓国プロ野球のように球団の身売りも予想される。それを防げるのであれば、セのDH制採用は何ほどのものでもないはずだ。
一方で、キャンプ出発前に、中日の立石充男二軍野手総合コーチの陽性が判明。沖縄キャンプ中、選手にコロナが感染拡大することも大いに予想される。
大きなリスクと隣り合わせには違いないが、コロナ検査センター開設で原監督が望むDH制採用の流れができつつある。
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