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狙い撃ち!米ハゲタカ投資が「コロナ苦境」日本企業を食い尽くす…

Ollyy / Shutterstock

新型コロナウイルスが確認されてから1年が経過し、飲食店を中心に連日苦境が報じられているが、昨年の企業の倒産件数は意外なほど少ない。東京商工リサーチによれば、負債総額1000万円以上の企業倒産の件数は7773件で、例年より7.3%少なく、過去50年間の比較でもバブル期の1989年に次ぐ4番目の低水準だった。

「理由は、政府や自治体などによる資金繰り支援が功を奏したからです。民間金融機関による緊急融資も約165万件、金額にして20兆7000億円を超えていますから。ただ、こうした支援によって生き延びているだけの〝ゾンビ企業〟が多いのも事実。融資の返済開始猶予期間は3年から5年しかなく、今後は資金が底をついて倒産する企業が続出すると予想されています」(経済ジャーナリスト)

そんな日本企業を虎視眈々と狙っているのが、米国のハゲタカファンドだ。

堂々と買収を表明する米大手投資ファンド

「既に、コロナ後の業界再編の加速を見込んで、人気お菓子・ベビースターラーメンの製造元『おやつカンパニー』の大株主である米カーライル・グループが、同社売却の検討に入っています。その他にも同グループは、もやし栽培・加工の『名水美人ファクトリー』の保有株を、コメ卸大手の『神明ホールディングス』に売却して日本企業から投資回収する一方、新たに日本で数千億円規模の大型買収を目指すとされています」(証券アナリスト)

米最大手のゴールドマン・サックスグループは、「新型コロナによって引き起こされた市場の歪みから利益を上げることを担うハゲタカ投資家として行動することはない」と表明しているが、堂々と〝ハゲタカ宣言〟しているファンドもある。

「昨年の9月には米大手投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツが日本企業の買収などに年間最大7000億円規模を投資すると表明。ブラックストーン・グループは、武田薬品工業のアリナミンやベンザなどの大衆薬子会社を約2400億円で買収すると発表しています」(同・アナリスト)

政府による対策も急務だ。

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