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日本全国☆釣り行脚~『アイナメ』~北海道北斗市/上磯漁港産

アイナメ釣り
アイナメ釣り (C)週刊実話Web

嗚呼、愛しのA子ちゃん。何故キミはそんなにもワタクシの心を揺さぶるのか…。どうすればA子ちゃんの心を射止めることができるのかしら…。

オッサンが恋愛について語るというのも気色悪いのですが、でも、皆さんに問いたいのであります。

恋い焦がれているA子ちゃんは、諸々の事情で極めて望み薄。そうなった場合、こんな選択肢があると思うのですが、皆様はどれを選びますか?

①あくまでもA子ちゃんを狙い続ける。

②玉砕覚悟で突撃。見事フラれたあかつきには、早々とイケそうな相手に切り替える。

③ハナから高嶺の華と諦め、妄想にふけりつつ〝思い出し自慰〟で果てる…。

こういった〝揺れる想い〟は、釣りの現場においてもよくあることで、時によって狂おしいほどの葛藤に苛まれる場面があります。今回はそんなお話です。

さて、引き続き北海道の函館近くにある上磯漁港にて、大型ハゼ狙いの夜釣りを敢行しております。以前の同時期に得た好釣果をアテにしての突入でしたが、今季はあまり芳しくないのか掛かるのは小型ばかり…。ようやく手応えのある魚が掛かるも、外道のマコガレイで意気消沈…。こんな展開に「さてどうしたものか…」と雪積もる堤防で悩む夜でありました。

考えうる選択肢は3つ。

①このまま港内で良型ハゼ狙いに徹する。

②目先を変えて〝釣りやすそう〟なターゲットに切り替える。

③諦めて竿を畳み、帰宅後に〝別の〟竿をしごく。

「さすが北海道、反応が早いぜ♪」

せっかく来たのだから、簡単に諦めたくはない反面、根が「信念」「根気」「努力」などとは正反対な気質のワタクシです。②と③で大いに悩みましたが、前者に決定しました。意を決して港内に見切りをつけ、対岸の長い堤防から外海側を狙うことにします。

一面を雪に覆われた広い港内をエッチラオッチラと移動し、足跡一つない新雪に覆われた堤防を先端付近まで進みます。人けはないものの、常夜灯で照らされた堤防は居心地がよさそうで、さっそく道具をセットして外海側に仕掛けを投げ入れます。

極寒の中獲物を狙う
極寒の中獲物を狙う (C)週刊実話Web

砂浜海岸から突き出したこの堤防は全体に水深が浅いものの、海底は硬めの砂地に小さな岩が点在しておりました。冬場はカレイの類も、浅場狙いの夜釣りで釣れ盛ることがしばしばあり、期待は十分です。

誰もいない堤防で魚信を待つことしばし。常夜灯に明るく照らされた竿先が「ミミンッ!」と揺れます。

「さすが北海道、反応が早いぜ♪」

ニヤニヤしながら竿を煽ると、まずまずの重量感。早々に良型のカレイかと期待しながら巻き上げたところ、手のひらサイズのイシガレイのダブル。う~ん、一荷(2本バリに2尾)はうれしいけど、1尾でいいから良型が欲しいのよ…。

掛かった魚を逃がし、かじかんで感覚が失われた指でエサを付け替えて「デカイの掛からんかいっ!」と投入し直します。

「さてと…、んんっ!」

投入を終えてひと息つこうとしていたタイミングで、隣の竿の竿尻が浮いてる! 慌てて隣の竿に持ち替えると「ゴクンゴクン!」と良質な手応えが伝わりました。すわ、大物か!?

昆布で締めて大人の味を堪能

「これは木っ端(小さいカレイ)などではないな…」

感覚的にお土産になるサイズの魚と判断し、期待に胸が高鳴ります。寄せて来ると足下でバチャバチャと派手な水音が…。本来なら掛かっている魚を照らして正体を確認するのですが、かじかんだ指での点灯作業は非常に面倒だったため、意を決して「えいやっ!」と抜き上げます。

アイナメ釣り
アイナメ釣り (C)週刊実話Web

掛かっていたのは、十分酒の肴になるサイズのアイナメでした。どうりで鋭い手応えなわけだ…。狙いとは違うもののうれしい釣果には違いありません。作戦②は大成功です。

アイナメは煮ても焼いても旨い魚ですが、ここのところ煮物が続きましたので、今回は昆布締めでいただきましょう。

昆布締めで一杯
昆布締めで一杯 (C)週刊実話Web

昆布の旨味とほのかな酸味が加わった白身は、淡白ながらも甘味がより強く感じられ、余韻深い〝大人の味〟が楽しめます。その余韻を楽しみながら『国士無双新酒にごり』をグイとやるこの幸せ…。

これを繰り返してすっかり飲みすぎてしまい、作戦③に移行すべく、クリックしたエロ動画を流したまま夢の世界へ旅立ってしまいました。竿を握ったまま…。

三橋雅彦(みつはしまさひこ)
子供のころから釣り好きで〝釣り一筋〟の青春時代を過ごす。当然のごとく魚関係の仕事に就き、海釣り専門誌の常連筆者も務めたほどの釣りisマイライフな人。好色。

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