JRA重賞『マーメイドステークス』（GⅢ）映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想！

上位人気でも無視あるいは軽視した馬に激走される「〝参った〟地獄」は続くよ、どこまでも…もう♪　あ～、やんなっちゃった、あ～あ、驚いた、って嘆き節（古いね、ウクレレ漫談の牧伸二かい）である。それはGⅠシリーズだけではなく、先週のGⅢ函館スプリントステークスでも繰り返された。上位5番人気までで、なぜか唯一無視した横山武キミワクイーンにステキに勝たれてジ・エンド。

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2、3着の馬連は持っていたんだけどねえ…って、だったらワイド買えよ、と一蹴されるのがオチ。わが本命の池添ブトンドールは5着が精いっぱい。どうも鞍上・池添に往時の冴えが見られないのが気にかかる。さあ、私の〝参ったジジイは目で分かる〟地獄は、どこまで続くのでしょうか？　と若干自虐的になっている今日この頃ですなぁ。

こういうときは、また騎手の話をして気分を変えよう。「ルメール大将が、川田との勝利差を一気に縮めて、2勝差となった。今週あたりで一気に逆転か」と先週書いたが、逆転どころか、反対に川田に引き離され、その差は5勝となった。ルメール大将もプチ・スランプかね。結構有力馬に乗りながら、土日でたった1勝だもの。さて今週どうなるか、これもまた楽しみだ。騎手といえば、前出の函館重賞を勝ったのは横山武だったが、東京の重賞・エプソムカップを勝ったのが横山和ジャスティンカフェ。兄弟で同日JRA重賞Vは、四半世紀も前の97年3月2日、武豊が弥生賞を、武幸がマイラーズカップを勝った例がある。グレード制導入以来、史上2度目だそうだ。〝横山ブラザース〟に天晴れを！　ちなみにパパの横山典は、エプソムカップでマテンロウスカイをしっかり3着に。横山一族でいったいどれぐらい稼ぐんだい、って話だなぁ。

さて、今週。東京ではユニコーンステークスがあるが、担当のN氏から「〝牝馬の鉄〟と異名を取るんですから、マーメイドステークスをお願いしますよ」とのご指名があった。望むところなのだが、このレース、荒れるので有名。今の「〝参った〟地獄」の私には、難解を超えて、難攻不落の要塞のように映る。でも、逆に考えれば、気が楽かも知れない。当たりゃしねえよ、と無欲の気持ちでブチかましてみよう。

“映画連想馬券”の本命はシンシアウィッシュ

過去のデータだけで言えば、10番人気が「3、2、1、4」と異常な激走ぶり。特にこの5年は3勝、2着1回の超・確変ぶり。もう〝10番人気を探せ〟ってなもんである。でも、3年連続では来ておらず、今年は外れる番かも知れない。予想は金曜日なので、最終的に何が10番人気になるか分からないのが悩ましいところ。

連覇がかかり、1番人気か？　の和田竜ウインマイティーはハンデ頭だし、疑ってかかりたい。それなら近走2000メートルで良績の西村淳ビッグリボンを優先しよう。あとは、騎乗停止明けの角田河が汚名返上を期して乗るシンシアウィッシュ。左回りのほうがよい気もするが坂井ストーリア、関東馬なら2000メートルは合わない団野ホウオウエミーズより、10番人気かも？　の菱田サンカルパを優先したい。同じく10番人気狙いなら、逃げが決まれば面白い松若ヒヅルジョウか。8番人気ぐらいかも知れないが、名前と鞍上が穴っぽい酒井ビジンもね。上位人気で軽視した馬にやられる、という私の最近の傾向からすると、ウインマイティーが来るとヤバいので、最終最後に入れておこう、って弱気だなぁ（苦笑）。

さて〝映画連想馬券〟だが、シンシアウィッシュから『デス・ウィッシュ』（18年）を。往年のチャールズ・ブロンソン主演作『狼よさらば』（74年）をブルース・ウィリス主演でリメークしたものだが、私はこの新版のほうが好みだ。監督は『ホステル』（05年）、『グリーン・インフェルノ』（13年）など刺激度の高い“鬼畜外道映画”が得意なイーライ・ロスで、私のご贔屓監督でもある。妻と娘を殺傷された男が、〝街のダニ〟に対し、次々と鉄槌を食らわせる過剰なヴィジランティズム（自警主義）を描いたアクション映画で、認知症を発症する前のまだ元気だったウィリスの姿がなつかしい。瀕死の重傷を負う娘役カミラ・モローネが、見事なまでに私の好みのパツキン美女なので、こちらも瞼に焼き付けたい！

馬券は④から①③⑧⑨⑪⑫へ馬連＆3連複。④が3着以下のときを考え、逃げ粘りを願って③から①⑧⑨⑪⑫への馬連を！

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年　パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』（キネマ旬報社）など。