
【第2回】元ジャニーズjr.平本淳也氏が「性加害問題」の真実を語る〜ジャニーズ帝国と告発の歴史
ジャニーズ事務所の前社長、ジャニー喜多川氏をめぐる性加害問題について、さまざまな媒体で発言している平本淳也氏は、13歳のときにジャニーズ事務所に入り、18歳で退所するまで「合宿所」と呼ばれるマンションに出入りしていた。
【関連】【第1回】元ジャニーズJr.平本淳也氏が「性加害問題」の真実を語る~少年たちは本当に被害者だったのか? ほか
平本氏が初めてジャニー氏の問題に関わったのは1989年のことで、元『フォーリーブス』の北公次による著書『光GENGIへ』シリーズの第4弾に、ジャニーズ時代の告白文を寄せている。その後は平本氏自身もジャニーズ関連本を多数上梓してきた。
「ジャニーさんの性加害問題がニュースになっていますが、この件を扱うメディアが『告発したのは3人目です、4人目です』とか言うのには、正直、違和感がありますね。僕は30年以上も前から、それこそ何十人も元ジャニーズのことを取り上げてきましたから」
BBC(イギリスの公共放送)で放送されたドキュメンタリー番組『J-POPの捕食者 秘められたスキャンダル』も、平本氏が5年ほど前から話してきたことがきっかけとなり、制作されたものだという。
「僕の先駆けとなったのが北公次さん。当時は誰でも知っている大スターですよ。その人が『ジャニーさんとは恋人同士でした』『すごいことをやられて最後は捨てられました』と、勇気ある告発をしたわけです」
告発の歴史を振り返るために、話はさらにさかのぼる。そもそもジャニーズ事務所は62年に、渡辺プロダクションの系列会社としてスタートした。
「ジャニーさんが自分の少年野球チームから選抜した男の子に、『ユーたち、僕と一緒に歌って踊ってお客さんを楽しませるショーをやらないか』と言って、『ジャニーズ』という4人組のグループをつくり、デビューさせたのが最初です。ちなみに、メンバーだったあおい輝彦さんは、事務所を辞めてからジャニーさんの関連するイベントには一切参加していません」
村西氏も暴露を続けている
67年にジャニーズは解散するが、同年にフォーリーブスがデビュー。71年にデビューした郷ひろみと共に、黎明期の事務所を支えることになる。北は78年のフォーリーブス解散と同時に退所。その後、前出の著書でジャニー氏と事務所を告発したが、12年に肝臓がんで亡くなっている。63歳だった。
「北さんは88年に『光GENJIへ』を出版しました。この流れをバックアップしたのが〝AV界の帝王〟村西とおるさんです。この頃、村西さんがクリスタル映像の専属女優だった梶原恭子さんを主演に、田原俊彦さんとの一夜を再現した『ありがとうトシちゃん』というAVを出しました。すると、メリー喜多川さん(ジャニー氏の実姉でジャニーズ事務所の副社長)が裏で手を回し、村西さんのテレビ出演を止めるなど報復をした。この一件もあって、村西さんは現在もジャニーズ暴露を続けています」
北は晩年、ジャニー氏やメリー氏への感謝をたびたび口にしていた。平本氏は、「北さんは性加害を受けたからといって、それを恨んでいたわけではない。自分はジャニーさんの恋人だと思っていたけど、ジャニーさんが次々と若いほうへ行くから、それに嫉妬して許せなかったのでしょう」と、複雑な胸中を分析する。
「よほどのお気に入りを除けば、ジャニーさんが求めるのは14〜15歳ぐらいまで。パンツを下ろして毛が生えていたら、無言でパンツを戻して帰っていくみたいな。だから『毛が生えたらおしまいだ』と、ジャニーさんのために下の毛を剃ってくる人もいました。それが性被害者なんていうのも、おかしな話でしょう」
告発の第一人者である平本氏だが、少年たち全員が本当に被害者なのか、という点については懐疑的だ。そして、一部のタレントはジャニー氏の〝浮気〟を恐れていたという。
「ジャニーさんが飽きっぽいわけではなく、そもそもハーレム状態。少年たちが全国から続々と集まってくるので、『今日はちょっと関西弁を試したいなぁ』とか、より取り見取りだったわけです。ある大物タレントが移籍したのも、ジャニーさんの浮気が原因だったと聞いています」
ABCでいうとAダッシュくらい
5月19日、性加害問題について記者から質問を受けた近藤真彦は「(ジャニーズ事務所側は)隠しごとはなしに、正々堂々と話をしてもらえれば」と語った。5月21日、東山紀之はキャスターを務める『サンデーLIVE!!』(テレビ朝日系)の中で、「実際に被害を訴えられていることは本当に切実で、残念でなりません」と、苦渋の思いを口にした。
一方、田原は5月26日にアップした自身のYouTube番組の中で、「ジャニーズの合宿所は快適だった」とだけ話している。
「事務所に今も残っている、あるいは長く残っていた人たちは、ジャニーさんの寵愛を受けてきたわけです。そんな彼らが何を言っているのかと思いますね。まるで他人事のように話す東山は、僕から言わせればキャスター失格ですよ」
平本氏自身は、ジャニーズ時代にどんな体験をしたのだろうか。
「僕はABCでいうとAダッシュぐらいですね。それしかやられていないから好き勝手に言える。グジョグジョにやられていたら、こうやって話をしていないかもしれません。それでも僕は内部の人間だったから、間近で『痛い』とかなんとか言って、グリグリやられているのを全部見て、聞いてきました」
ジャニー氏の性加害問題については、元所属タレントによる告発が相次ぎ、騒動が収まる気配はない。
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