(画像)sippakorn/Shutterstock
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全仏テニス・加藤未唯の“失格騒動”にファンと選手協会が激怒する“真の理由”

6月8日、テニスの全仏オープン・混合ダブルスで加藤未唯&ティム・プッツ(ドイツ)組が優勝。勝利と同時に加藤が両腕を突き上げると、会場は異様な盛り上がりを見せた。


もっとも、これは〝失格騒動〟を乗り越え頂点に立った、彼女へのエールだったとみられている。


「知っての通り、女子ダブルスの試合で加藤は失格になりましたが、ファンやプロテニス選手協会(PTPA)は彼女に同情的。今も、今回の処分を不当とする声が渦巻いているのです」(専門誌記者)


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加藤が失格となったのは、6月4日の女子ダブルス3回戦。プレーが途切れた際に加藤がコートに転がっていたボールを外に出そうとすると、偶然にも打った球がボールガールの頭部を直撃したのだ。


すぐに加藤が謝罪したため、間もなく試合は再開されると思われたが、そこに相手チームが「危険行為」と主審に抗議。裁定をめぐってもめた末、スーパーバイザーが現れて加藤に失格を告げたのだ。

日本の協会からの反応はなかった!?

この騒動に後日、PTPAは「不当な判定である。偶発的で攻撃性のない事象であることは明らかだ」「最低でも彼女の賞金とポイントは戻すべき」と声明を発表。さらに、今後はスポーツ仲裁裁判所への提訴なども視野に入れているという。

「危険行為と見なした判定への疑問、しかもそれをジャッジしたのが主審ではなく主催側の人間だったことがおかしいと、ファンもPTPAも憤っているのです。特に後者は、審判の権限を侵害する大問題でもありますからね」(同)


ちなみに、加藤は優勝スピーチで「女子ダブルスで対戦したペアとも、また良い試合をしたいと願っています」などとコメント。再び観客から万雷の拍手を浴びたが、残念なのは祖国の後押しがなかったことだ。


「世界中が憤怒し、抗議の準備も進めているのに、日本の協会からはまったく抗議の声が聞こえてきませんでした」(関係者)


かつてスキージャンプの高梨沙羅が北京五輪で失格した際も、日本は出遅れたが、各協会は選手を守る度量を持つ必要がありそうだ。