闘いは、すでに始まっている。5月末に大関に昇進した新大関、霧馬山改め霧島は6月5日、ご褒美で母国モンゴルに凱旋帰国して大歓迎を受けている。
しかし、こちら日本はまだ大相撲夏場所が終わって2週間余りだというのに、ノンビリしている様子はない。大関昇進争いは、これでひと息とはいかず、むしろ、これからが本番だ。
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「次はオレの番」
と目の色を変えている大関候補が目白押し。なにしろ夏場所、4人いた関脇陣がそろって2ケタの勝ち星を挙げ、大関に昇進した霧島以外の3人、豊昇龍、大栄翔、若元春も昇進への足場固めを果たしたからだ。
「この3人の中で、最も大関に近いところにいるのは大栄翔です。大関昇進の条件は直近3場所、三役で通算33勝とされます。大栄翔は2場所で22勝挙げている。残る2人の豊昇龍と若元春はどちらも21勝。したがって大栄翔は次の名古屋場所で11勝、豊昇龍と若元春は12勝以上挙げれば、大関昇進ラインを突破する。佐渡ヶ嶽審判部長(元関脇琴ノ若)はすでに、夏場所千秋楽に『3人とも次の名古屋場所は大関取りの場所になる』と明言しています」(大相撲担当記者)
条件満たして昇進すると“史上初”に
ちなみに大関ダブル昇進は、昭和以降8例ある。最も新しいのは、29年前の1994年春場所の武蔵丸と貴ノ浪。しかし、トリプル昇進の例はなく、この3人がそろって条件を満たして昇進すれば、史上初となる。
さらに、3人の後には夏場所で優勝した照ノ富士に次ぐ12勝を挙げた朝乃山や、史上最速タイのデビュー3場所で入幕するのが確実な落合改め伯桜鵬、幕下10枚目格付け出しで6勝した〝令和の超大物〟大の里らが控える。
「うかうかしてはいられない大栄翔は、夏場所の休養期間が明けたばかりの6日から3日間も千葉県松戸市の佐渡ヶ嶽部屋に出稽古を敢行。次期大関の有力候補でもある琴ノ若と11番の三番稽古を繰り広げ、気合十分です」(同)
7月9日が初日の名古屋場所(ドルフィンズアリーナ)から目が離せない。
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