5月24日、ホンダはレーシングチーム「アストンマーティン」へパワーユニット(エンジン、電動モーターなど)を供給する形で2026年、F1に復帰すると発表した。
同社は21年に「カーボンニュートラル(温室効果化ガス排出ゼロ)に注力するため」との理由で、F1から撤退。わずか2年で復帰を表明したことにファンからは驚きと喜びの声が上がっているが、同社のF1復帰はこれが5回目、撤退と参戦を繰り返すその姿勢が物議を醸している。
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自動車評論家がこう語る。
「もともとホンダが撤退したのは、年間数百億円とされるF1参戦資金を生き残りのためにEV(電気自動車)の開発に振り向けるためだった。だが、F1への未練は大きかったようで、撤退後も『レッドブル』チームに技術提供を続けていたほどです」
現在の自動車市場が影響している
実際、当時ホンダは「全新車販売のEV化を2040年期限とする」と発表。EVとFCV(燃料電池車)の開発に取り組んだが、それが「F1復帰」に覆った裏には、昨今の自動車市場の動向が影響しているようだ。
「近年、車選びに『脱炭素』という選択項目が加わり、モータースポーツの結果が販売に反映されにくくなったのは事実。ただEVをはじめとする次世代自動車は性能に差が出にくく、ブランド力が売り上げに直結するともいわれている。ホンダはブランド再構築のために、F1復帰したとみられているのです」(経済記者)
また、前出の自動車評論家はこう続ける。
「実はF1はホンダ撤退後、化石燃料を禁止しカーボンニュートラル燃料を26年から使用する新たな義務付けを発表した。つまり、F1への参戦がEVやFCV開発の近道である可能性が高まったことも復帰の要因と思われるのです」
この〝復帰〟が吉と出るか、凶と出るかが見ものだ。
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