『女子大生、オナホを売る。』実業之日本社
『女子大生、オナホを売る。』実業之日本社

『女子大生、オナホを売る。』著者:神山理子(リコピン)~話題の1冊☆著者インタビュー

『女子大生、オナホを売る。』実業之日本社/1540円
神山理子(かみやま・りこ、リコピン) 1997年生まれ。明治大学商学部卒。20歳のときにインターン先で音楽メディアの運営責任者となり、業界ナンバーワンまで成長させて売却。その後シンガポールにて新規事業を立ち上げ、同事業の法人化を経て、オナホD2Cの会社を創業。
――オナホ市場に参入しようとしたきっかけは何だったのですか?

神山 普段からオナホを使っている友人に「どうやってオナホを選ぶの?」と聞いたら、「なんとなく。パッケージで選んでいるよ」と言われました。彼曰く、「店頭で試して買う」ことができない商材ですし、「気持ちいい」には個人差があるので、口コミも参考にしにくいそうです。このことから、既存の商品は「パッケージ」や「イメージ」で勝負されている市場だと考えたこと、またそのような市場に対して、「明確な機能(コンセプト)」を持って参入するのは、大きな差別化になるのではないかと考えました。


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――販売チャンネルを『Amazon』に絞ったのはなぜですか?


神山 『Amazon』はすでに会員数も多く、購入フローもなじみ深いため、「顧客の安心感が強いから」です。


商品をネット販売する場合、自社ECサイトで販売するケースも多いのですが、「よく知らないサイトに、自分の住所やカード情報などを入れたくない」というユーザーの心理的抵抗があるんです。特にアダルトカテゴリだと、「スパムされそう」といった漠然とした不安もあるそうです。なじみ深い『Amazon』なら、ユーザーも安心して購入しやすくなりますし、ワンクリックで購入できるという点でも、離脱率を低くできます。

繰り返し何度も使えるという提案

――オナホといえば定番の『TENGA』が有名ですが、勝算はあったのですか?

神山 オナホといえば、大抵の方が『TENGA』をイメージされると思います。ただ、私の当時のリサーチでは、ユーザーの『TENGA』に対するイメージは「使ったらフタを閉めてそのまま捨てられる使い捨てオナホ」というのが強かったんです。そこで私は「洗って繰り返し何度も使える」というカテゴリのオナホをプロデュースすることに決めました。定番ブランドが当時存在していなかったため、新規参入でも戦えると考えたんです。


――今後はどのような事業展開を計画しているのでしょうか?


神山 私個人の目標は、「マーケターとして、メーカーとタッグを組みたい」です。オナホ事業で、コンセプトメイキング→製造開発→販売という一連の流れを経験しましたが、自分の強みは「コンセプトメイキング」にあると感じました。職人や農家の方から「良いモノを作っているのに、売れない」という相談をよく受けます。「良いモノを作れる」人に、「良いコンセプトを提供する」ことで、売り上げを最大化できるようなマーケターを目指していきます。 (聞き手/程原ケン)