蝶野正洋 (C)週刊実話Web
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蝶野正洋『黒の履歴書』~成功といわれるG7サミットと長男更迭のスキャンダル

岸田文雄首相の長男である岸田翔太郎氏が、首相秘書官を辞職した。


問題となったのは、昨年末に翔太郎氏が首相公邸で忘年会を開催し、その際に撮った写真が流出したこと。岸田総理も最初は注意に留まっていたが、さすがに庇いきれなくなったのか、事実上の更迭となった。


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いろいろ隙のあるスキャンダルだったとは思うけど、俺はこの件で首相官邸を含めたセキュリティーの甘さというのが気になった。


俺は先日、内閣府中央合同庁舎を表敬訪問したときに、警備員と役人職員との関係に気が付いた。


警備員が内部職員の指示に従うのは当然で、自分が入館の際に職員から入り口の変更指示が来て、警備員が慌てて変更案内されている姿を見て、警備会社社員の警備員も契約先の指示に従う。


もちろん、普段からの信用関係があるからだと思うけど、警備の面からの難しさ。特別区の霞が関では正面口もあれば裏口もある、簡単ではなさそうだ。


首相公邸で翔太郎氏が、ちょっと羽目を外して宴会を開いたとしても、「これはダメです」と指示を出せる人は、なかなかいないのが現状なんだろう。


そういえばG7広島サミットは、世間的には成功だったという意見が多いみたいだけど、俺はあまり評価していない。ウクライナのゼレンスキー大統領が来日したことで話題にはなったけど、その目的が戦争反対というよりも、各国で協力してどうやってロシアを倒すかになってしまったように思う。


日本は憲法で戦争を放棄していて、他国の紛争にもかかわらないことになっている。それを戦後80年近く守ってきたのに、今回のサミットで実質的に戦争に参加しているようなムードになってしまった。

アンダーな世界経済

国防や、自衛力を持たなきゃいけないというのは分かる。でも、それは向こうがミサイルを持ってるから、こっちも持たなきゃという話じゃない。

それよりも、そのミサイルに対しての盾をどうするか、国民をどう守るかということを考えていくべきなんだよ。


ここで何度も言ってるけど、俺は武器を持つくらいだったら、防災にも使えるシェルターを日本国中に作ればいいと思う。


日本のウクライナに対する支援は非軍事中心と言ってるけど、世界経済は繋がっているから、どこまで本当かは分からない。アンダーな貿易というか、東南アジアからアフリカのように国を2つ3つまたげば、ウクライナだけでなくロシアとも取引ができる。こういう規制があるときこそチャンスとばかりに動いて、儲けている商社なんてたくさんあるからね。


それにサミットでは各国の首脳が並んでいたけど、その足並みがどこまでそろっているかは分からない。


バイデンさんもアメリカの債務不履行問題が差し迫っていてすぐ帰ったし、イタリアのメローニ首相も洪水対策のために途中帰国した。フランスもドイツもデモで荒れている。


誰もが自国での立場を守るだけでも大変だから、次回のサミットでは首脳陣の顔触れがほとんど変わってるという可能性もある。


まぁ、その中でも一番危ないのは、岸田さんかもしれないけどね。
蝶野正洋 1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。