新庄剛志 (C)週刊実話Web
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「筒香嘉智と藤浪晋太郎」を逆輸入!? 日ハム・新庄監督が描く優勝への最終章

今月4日、今季最多タイの14安打、今季最多の10得点を挙げて巨人に大勝し波に乗ってきた新庄剛志監督率いる日本ハム。そこへ、想定外のカンフル剤が注入されるかもしれない。メジャーリーグで居場所を失いつつある2人に、新庄監督が熱烈ラブコール!?


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最下位を脱出し、4位に浮上した北海道日本ハムファイターズが筒香嘉智と藤浪晋太郎の〝逆輸入〟に乗り出す。今季の新庄剛志監督は「優勝しか目指さない」と宣言。有言実行の「最終章」にアクセル全開――!!


監督1年目の昨季は「優勝は目指さない」と公言し、勝敗を度外視して全選手を一軍で起用した新庄監督。結果は最下位。しかし、その捨て身の投資が1年経ってきっちり実を結んでいる。


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「全員横一線、全ポジション競争」の下克上策が奏功し、5月下旬に最下位を脱出。監督2年目にして初の4位に浮上するや、交流戦に入っても新庄チルドレンの勢いが止まらない。


交流戦で昨季日本一のヤクルトを粉砕し、巨人もひとひねり。改めて新庄監督の「優勝しか目指さない」宣言が見直され、ファイターズ人気が爆上がり中だ。


主砲・清宮幸太郎の故障離脱で新4番に就いた万波中正がパ・リーグの本塁打と打点1位、得点が2位。昨季11年目でブレークした松本剛が安打数3位、打率5位。昨季、新庄監督の助言で下手投げに変更した鈴木健矢がエースの上沢直之とともに勝ち星で2位。FA移籍の近藤健介の人的補償で獲得した田中正義がセーブ数で3位(ともに6月4日現在)―。

“日本人メジャーリーガー”の逆輸入!?

日本ハムのチームの総年俸は、12球団で最下位の約23億円。この戦力の薄さを補っているのが、新庄監督の常識にとらわれない知恵と工夫だ。

その象徴が、ドラフト1位ルーキー・矢沢宏太を同じ試合で外野守備後にリリーフで登板させる〝ハイブリッド型二刀流〟。逆に言えば、ベンチの台所は一杯一杯。「ようやく優勝が視界に入ったのだから、球団は抜本的な大型補強に乗り出すべきだ」という声がファンの間で渦巻いている。


そんな中で進行中なのが、「日本人メジャーリーガーの逆輸入」。本社筋の球団関係者が、声を潜めて話す。


「日本ハム本社は新球場エスコンフィールドHOKKAIDO建設に600億円を投じたため、新庄監督が優勝に必要だと要望する『6番を任せる打者』と『先発1枚』の補強に容易に腰を上げなかった。いや、できなかった。しかしクライマックスシリーズ進出が見え、チケット販売が急上昇したことで、ようやくゴーサインが。これで6月末にも『今年は優勝しか目指しません劇場』最終章の幕が開く」


「最終章」とは、昨季6月にMLBから広島に電撃移籍した秋山翔吾ルートの「日本人メジャーリーガーの逆輸入」だ。ターゲットは元横浜DeNAの筒香嘉智外野手と、元阪神の藤浪晋太郎投手だ。


モデルケースの秋山は2020年シーズンから3年契約(総額2100万ドル)でレッズにFA移籍。だが22年4月にロースター(MLB出場枠)から外れ、パドレス傘下の3Aでメジャー昇格を目指したが果たせず、契約を破棄し同6月27日に広島と契約。今季は打率2位(6月4日現在)。


筒香も同じ軌跡をたどっている。こちらも2020年シーズンから2年契約(総額1200万ドル)でレイズにポスティング移籍。しかし、好成績を残せず、21年以降はドジャース、パイレーツに転籍。現在はレンジャーズとマイナー契約し、メジャー復帰を目指しているが、五里霧中の状況。〝秋山方式〟で、6月中に日本に戻る可能性が高い。

先を見据え取り入れたトレンド

筒香については、古巣のDeNAと原巨人に加えて、強制性交の疑いで書類送検された山川穂高の代役に西武も狙っている。しかし、日本ハム移籍がほぼ固まっているという。

「レンジャーズには日本ハム特命コーチの金子千尋氏がコーチ留学しており、粛々と日本復帰の環境を整えています。これも、先を見据えた新庄監督の戦略です」(日本ハム担当記者)


藤浪は今季325万ドルの1年契約でアスレチックスにポスティング移籍したものの、2勝6敗、防御率12.19。チームも12勝49敗(6月4日現在)と歴史的敗戦ペースが続いており、中継ぎで2勝こそ拾ったものの、この先、若手中心の編成になるのは必至。自由契約が秒読みの状況だ。


ところで、侍ジャパンのWBC金メダル獲得で母親が日本人のラーズ・ヌートバー(カージナルス)が大人気だが、実はこのトレンドを最初に取り入れたのは新庄監督。逆輸入ルーキー加藤豪将と、アレン・ハンソンの獲得だ。


加藤は日本人の両親の下、アメリカのカリフォルニア州生まれ。3歳から5歳まで神奈川県へ移り住んだが、両親の仕事の関係で再渡米。高校時代はロサンゼルスで開催された日米親善高校野球にもアメリカチームの一員として出場した。卒業後は名門・UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)への推薦入学が決まっていたが、ヤンキースにドラフト2巡目で指名され、入団した。


米球界に通算10年在籍したが昨年マイナー契約となり、これに目を付けたのが新庄監督。昨秋のドラフトで3位指名した。コンパクトで無駄のないスイング軌道で長打を放ち、快進撃をリードしている。


ドミニカ出身の新外国人ハンソンも逆輸入。こちらはパイレーツ、ホワイトソックス、ジャイアンツ、ブルージェイズでプレー。今季は日本の独立リーグ『ルートインBCリーグ』の茨城に所属。新庄監督のカンピューターが「使える」と作動し、5月8日に契約を結んで獲得した。年俸1500 万円ながら代打の切り札とDHで貢献している。


侍ジャパンの金メダルに貢献した伊藤大海、将来のエース・吉田輝星も調子を上げ、主砲・清宮ももうすぐ一軍に復帰する。戦力が整いつつあるだけに、輸入助っ人の動向が注目される。