平本淳也 (C)週刊実話Web
平本淳也 (C)週刊実話Web

【第1回】元ジャニーズJr.平本淳也氏が「性加害問題」の真実を語る~少年たちは本当に被害者だったのか?

3月18日から20日にかけてBBC(イギリスの公共放送)でドキュメンタリー番組『J-POPの捕食者 秘められたスキャンダル』が放送されて以降、ジャニーズ事務所のジャニー喜多川前社長(2019年に死去)による性加害問題が世間を騒がせている。これに関して今、さまざまな媒体でコメントをしている平本淳也氏にあらためて内情を語ってもらった。


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平本氏は13歳のときにジャニーズ事務所に入り、18歳で退所するまで「合宿所」と呼ばれるマンションに出入りしていた。


その後、1989年にジャニー氏からの性被害を告発し、96年には自分自身の体験や関係者たちの話をまとめた『ジャニーズのすべて 少年愛の館』を発表。以降も多数の著作で、ジャニーズ事務所の内情を世に知らしめてきた。


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「僕としては、世界有数のエンターテインメント企業であるジャニーズ事務所が〝実はこういうところなんだよ〟というのを、自分で見て、聞いて、知ったそのままに、書いたり話したりしてきただけです」


BBCの番組も、もともとは平本氏が5年ほど前から話してきたことがきっかけとなり、制作されたものだという。


「ある意味、それができるのは僕だけで、ほかの誰もやらないし、誰もできないことだから、じゃあ続けようかなってことで告発を続けてきました」


35年来の告発が今になって社会問題化していることについて、平本氏はどう思っているのだろうか。


「これまでマスコミが扱ってこなかったのは、やはりジャニーズへの忖度という部分があったからでしょう。テレビはドラマやバラエティーに、ジャニーズのタレントを使いたい。出版社も来年のカレンダーを出すとなれば、やっぱり儲かるからジャニーズに都合の悪いことは書かなくなる。もし僕がテレビ局の社員だったとしても、絶対に忖度しますよ。組織ってそういうものだし、ビジネスとして考えれば当然のことです。


特にフジテレビは藤島ジュリー景子社長が元社員で、ジャニーズ事務所に社員が出向しているぐらいだから、深く踏み込んで批判するなんて絶対にやらないでしょう。テレビ朝日の玉川徹さんなんかも、ほかのことなら自粛に追い込まれるぐらいまで攻めるくせに、ジャニーズに関しては歯切れが悪い。企業と企業の関係だけじゃなく、現場での人と人の関係もあるからね」 “逃げる”選択肢もあった

4月12日には元ジャニーズJr.のカウアン・オカモト氏(当時は岡本カウアン名義)が、東京都内の日本外国特派員協会で記者会見し、ジャニーズ事務所に所属当時、ジャニー氏から「2012年から2016年にかけて15~20回ほど性的被害を受けた」と主張した。


「この会見で『そういうことがあると知っていたら、ジャニーズ事務所に入りましたか?』という質問がありましたが、僕からすれば滑稽ですよ。それがなかったら、そもそもジャニーズ事務所は存在していない。ジャニーさんの少年愛があったからこそ、ジャニーズの成功があるんです」


意外にも平本氏は「極力、性被害という言葉は使わないようにしている」と語る。


「本当に少年たち全員が被害者なのかということは、どこのマスコミも言わないけれど、この件の重要なポイントでしょう。虐待という言葉もよく使われるけれど、みんなが強要されているわけではない。例えば脅されるとか、縛られるとか、押さえつけられるといった強姦的なことは、僕が知る限り一切ありませんでした。だいたいジャニーさんは身長150センチあるかないかぐらいの貧弱なおじさんで、ちょっと抵抗したら吹っ飛んじゃうぐらい。いくら少年であっても、その場は回避できるはずです」


だが、年端も行かない10歳前後の少年では、いきなりの行為を理解できないこともあっただろう。


「みんな言っていることは同じです。まず、一緒にお風呂に入って、ベッドではマッサージと称して服の上から撫でられる。そこからエスカレートしていくのがジャニーさんのやり方で、相手の様子をうかがいながら責めてくる。でも、そういう体験が生まれて初めてで、ジャニーさんに何をされているのか分からない者も大勢いました。


人によってはジャニーさんが、優しく接してくれるとしか思わなかったりもする。そうしたら次第に気持ちよくなって、知らないうちに何か発射したみたいな(笑)。中にはそれでハマっちゃう者もいるし、ショックで辞める者もいる。泣いて逃げる者もいる。本当にジャニーさんが嫌なら、逃げるっていうのは常に選択肢としてあったわけです」


それでもジャニーズ事務所に残った人たちの中には、むしろ積極的に行為を受け入れる者もいたという。


「僕がいた頃は事務所の規模が小さかったので、嫌でもいろんな声が聞こえてきました。『ジャニーさん、今日、合宿所に行っていい?』『ユーはダメ』『なんでだよ、せっかくケツ貸すって言ってんのにさぁ』などと、文句を言っている者も普通にいました。


親御さんたちも一切そういうことを知らないわけじゃなくて、僕に聞きに来たりしていたからね。どうやったらジャニーさんにかわいがってもらえて、メンバーに入れるのかって。僕がジャニーズ事務所に入るときだって、いきなり知り合いの兄ちゃんから『ジャニーズ事務所の社長ってホモだよね』って言われて、当時の僕はホモって言葉を知らなかったけど、そのレベルですでにみんな知っていたわけです」 愛されれば芸能生活は安泰

平本氏は現在の報道について警鐘を鳴らす。多くが行為だけをクローズアップし、犯罪ではないか、虐待ではないかと、少年たちを被害者に仕立てようとしているからだ。


「被害と感じている人も確かにいます。だけど、そうした行為だけのことを言うのは、内情を知っている人間からするとドラマチックじゃないわけです。ジャニーさんに見初められるぐらいの少年だからこそ、スターになることができる。そういう物語が絶対的な背景としてあるにもかかわらず、そこをメディアは報道としてくみ取ることができないんです」


また、平本氏はデビューをエサに、行為を無理強いしたとばかりは言い切れないと語る。


「こういうことを言うと語弊があるかもしれないけれど、ある意味で恋愛のような部分があって、タレントたちからすると『自分はジャニーさんの恋人で、自分だけが愛されている』と感じることもあるんです。それは愛情だけでなく、ジャニーさんに愛されれば、芸能生活が安泰ということにもつながります。


普通に考えて、ジャニーさんとの行為を我慢して、悲壮感を持ちながらタレント生活を送っている人間が、テレビカメラ越しに笑えますか? 暗くて重い過去を背負いながら、ローラースケートで滑っているとか、そういうふうには見えないでしょう。そこまでの演技はできませんよ。


もちろん、傷付けられたという人間もいるけど、そういう人はもうジャニーズ事務所を退所しています。傷付いて、悲しくて、逃げ出したいっていう人は、とっくに逃げている。当然メジャーデビューをしていないから、告発する者は辞めた人が多くなります。


最もこれらは事実ですが、多くの被害者を生んだ大きな事件であることに変わりはなく、決して許してはならないことです。もちろん僕も被害者であり、その行為は決して許してはいません。被害者救済のためなら僕は独りでも戦い続けます。本件には35年携わり、のち、独りになって30年以上ずっと戦ってきました」


メディアはジャニーズ事務所の所属タレントに告発させようと躍起になっているが、平本氏は「それはあり得ない」と断言する。


「ジャニーさんのことを良しとして受け入れ、なんなら歓迎した人、自分から求めた人たちです。だけど、そんなこと言えないじゃないですか。もしも今後、有名なジャニーズタレントが『本当に嫌々、我慢に我慢を重ねて今のポジションをつかみました』などと言うことがあっても、それは嘘ですよ。


たとえ本当でも『体中にローションを塗りたくって、頑張ってジャニーさんを喜ばせて、このポジションをつかみました』とは言えませんからね。ギリギリ真実を話すとしても『事実ですが被害とは言いたくありませんし、ジャニーさんには感謝しています』みたいな感じになるでしょう」


平本氏は「数十年前から告発する声があり、『週刊文春』の裁判もありました。それにもかかわらず『知らなかった』とするジュリー氏の説明にはあきれてしまいます」と話す。


元ジャニーズJr.平本淳也氏が「性加害問題」の真実を語る【第2回】へ続く