歌手・タレント・女優/新田恵利インタビュー〜おニャン子から初の“大学教授”が誕生!
元『おニャン子クラブ』の会員番号4番・新田恵利が、淑徳大学の客員教授に就任した。往年のファンにとってその活躍は朗報だが、残念ながら歌声を聞く機会は久しくなっている。客員教授となることへの抱負を伺うとともに、記念ライブに関する重大発表もお届けする!
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――先のGWに、テレビ番組『爆笑そっくりものまね紅白歌合戦スペシャル』(5月6日フジテレビ系)がオンエアされました。ミラクルひかるさんと新田さんが大ヒット曲の『冬のオペラグラス』を生で歌い、声だけでどっちが本物か?…を当てるクイズ形式でした。
新田 あの番組、結構な方が見てくださってて、行く先々で言われるんです。テレビで歌うのは本当に久しぶりで、呼ばれるのは4年に1回くらい。ツイッターなどでも告知してないし、オリンピックみたいに稀なんですけど、なぜか皆さんご覧になってるんです(笑)。
――ミラクルの絶妙な音程外しは、さすがプロでした。
新田 歌うことに関しては開き直ってます。もともと下手だったのに、歌い続けてないからうまくなるわけがないんで(笑)。私自身は余興として楽しんでいますね。ただ、気持ちとしてはファンの方への恩返しの思いもあります。歌ってないのに、それでも応援し続けてくださるファンの方もいらっしゃいますから。
――出演後の反響はいかがでしたか?
新田 番組が放送された後、ブログにコメントをいただいたんです。難病にかかって苦労されてる方で「私もおニャン子世代です。新田さんの歌声を聞いてすごく泣けました、元気づけられました」って。そのコメントに私の方が勇気づけられました。どんな方がどういう形で元気づけられるか分からない。出演してよかったなぁと思いました。歌の質がどうこうより、私が歌うことで元気になってくれるなら、うれしいじゃないですか。そういうのでもなければ、恥ずかしくて行けませんよ(笑)。
“サンキューライブ”開催決定!
――デビュー35周年を記念したソロライブがコロナで延期したそうですが、その後、代わりのライブは行われたのでしょうか?新田 残念ながら、コロナの終息が見えなかったので、ライブ自体はできませんでした。でも先日、久々にファンクラブのイベントを開くことができたんです。歌はないけれど、対面でのお茶会。そこで皆さんの意見を聞いたところ、再来年は40周年なのですが、「それまで待てない。声も出したいし、飛んだり跳ねたりもしたい」ということで、来年、小規模なライブを開催することが決定しました!
――それは朗報。日程は決まっているのでしょうか?
新田 3月を予定しています。39周年なので〝サンキューライブ〟と銘打って開催しようと思っています。
――おニャン子の話が出たので、一番印象に残っている番組などはありますか?
新田 確か25周年の頃だったと思うのですが、『AKB48』が盛り上がっていて、おニャン子と一緒に取り上げられて番組で共演することが多かったんです。メンバーとよく話していたのが「25年ってことは四半世紀だよね。すごくない?」って。年月の重みを感じましたね。当時は10代で、あの頃の2つ3つの年の差は大きくて会話もかみ合わなかったけれど、25年経ってみんなが結婚したり出産したり、中には離婚も経験して共通の話題が増えました。
――その頃ですね、国生さゆりさんとの因縁を蒸し返されたのは。
新田 そう。本当に10代の頃はさゆりちゃんとの会話なんて3秒あったら3時間に感じたんですけど(笑)、そのときは30分は30分という感じでした。
――今でも交流のあるメンバーはいますか?
――旅行中はどんな話を?
新田 これからのことを話しましたね。生稲も乳がんを乗り越えてお子さんの手が離れたから「やっと自分の時間ができた。これからどう生きていこう」って。お互いに不安はあったんです。その頃の生稲の仕事は乳がんに関連した講演が多くて、私は介護関連の講演が多かった。「いずれ回数は減るよね」「AKBが介護を始めたら、私の椅子はない」みたいな(笑)。今思うとあのとき、生稲の頭の隅には政治家があったのかもしれませんね。
――さて、新田さんは5月から淑徳大学の客員教授。どんな経緯で実現したのでしょう?
新田 私は母を6年半の在宅介護の末、2021年に看取りました。その経験から講演活動をしていたのですが、NHKの介護番組で淑徳大学の結城康博教授(社会保障論、社会福祉学)と知り合ったのがご縁です。情報交換や相談などをさせていただいてるうちに大学で講義をしてみないかというお話をいただいたんです。
――これまでも看護師の卵や年配の方向けには講演をされていますが、大学では相手が10代から20代前半。どのような講義をされる予定でしょう?
新田 私はよく「介護はコミュニケーション」と言っています。授業は知識とか情報より、気持ちに寄り添って伝えていきたいと考えています。たとえば在宅の介護だと毎日顔を合わせるので親の老いが日々分かるし、徐々に自分の中に浸透していくんです。反面、病院や施設に預けてる方は1週間であっても急に老けた親にショックを受け、その現実を受け入れられなくなってきたりするんですね。在宅だと、日々のことなので受け入れざるを得ない。自分の親が老いたことを受け入れると、すごくいろんなことが楽になります。葛藤もなくなり、親への怒りもないんです。「どうしてそんなことができないの」とかって、最初は皆さん怒るし、私も最初はそうでした。でも、受け入れることで優しくなれるし、それが在宅介護のいいところだと思います。
シン終活ノートを考案中!?
――でも、誰もがその環境を実現できるわけじゃない。新田 そうですね。そこで、コミュニケーションです。私は「母のドリル」というのを作りました。親にも子供だった時代があり、歴史があります。それを会話できるうちに聞いて、一緒に記録してまとめていくんです。「学校で好きだった授業は何?」に母は「歴史」と書いていました。えぇ〜意外って感じでした。会話をしながら書いてもらうことで母もきっと埋めていくのが楽しかったと思います。
――そのノート、商品化されたらうれしいですね。
新田 終活ノート(エンディングノート)のようなものではあるのですが、もう少し堅苦しくないものにしていきたいですね。実は10月に私が生まれ育った街(埼玉県上福岡市=現・ふじみ野市)でのイベントが予定されていて、その場で私の考案したノートを発表し、講演会とのセッションみたいなものをやりたいと考えています。
――最後に、メディアにはいろいろと書かれたと思いますが、最も印象に残っていることはありますか?
新田 実はあんまりないんです。『フライデー』には撮られましたけどね。恋愛禁止なのに、カレ氏の自転車に乗って通学する姿でした。でも、それ以外は守られていたなぁと思います。おニャン子の人気が絶頂のときに私の父が亡くなるのですが、当時のワイドショーはすごかったでしょ? 「お父さんが死んで今どんな気持ちですか?」と平気で聞くような。そこをフジテレビはきっちり抑え込んでくれてたんです。父の葬儀は本当に静かに営むことができて感謝しています。
――芸能レポーターは来なかったんですね?
新田 誰も来ませんでした。代わりに観光バスが横付けされて、おニャン子のメンバーがゾロゾロと40人くらい降りてきて、その光景は印象に残ってますね。
◆にったえり 1968年3月17日生まれ。1985年に『おニャン子クラブ』の結成メンバーとして『夕やけニャンニャン』(フジテレビ系)に出演。86年9月に同グループを卒業し、現在は個人事務所でマルチに活動中。ツイッター@eri_n_official
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